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愛が…重い!一途なヤンデレに愛される漫画7選

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「ヤンデレ」とは「病んでる」+「デレ」の合成語で、相手への愛や執着が深すぎるあまり、感情や言動が行き過ぎてしまう、病んだ精神状態のことです。好きすぎて暴走したり、愛しているからこそどんな手段を使っても尽くしたいと思ったり……。しかし、見方を変えれば、ヤンデレとは、愛するが故にこじらせた、不器用で純粋な恋愛のカタチなのではないでしょうか?

今回は、一途なヤンデレが登場するおすすめヤンデレ漫画を7作品を紹介します!

ストーカー気質で明るいヤンデレ男子の真っ直ぐな愛情表現『ミザントロープな彼女』

ミザントロープな彼女

完結『ミザントロープな彼女』 全3巻 厘のミキ / 講談社

小千谷藍(おじや らん)は、とある女性を不審者から守るのだと意気込み、他人の家の屋根の上から一週間以上も部屋を見張り続けた、一般常識とは違う価値観で生きる男子です。そんな小千谷くんと高校入学直前に出会い、一方的に好意を寄せられてしまったのが、主人公・末代花実(まつだい はなみ)。入学してみると、クラスの後ろの席には、偶然にも小千谷くんが! 花実の高校生活は、トラブル必至という不穏な空気の中、始まることになりました。

小千谷くんはイケメンで明るく、誰とでもすぐに打ち解ける性格ということもあって、あっという間にクラスの人気者になります。一見、ヤンデレには見えない小千谷くんですが、愛する花実に対しては愛が暴走! 教室であろうが、外であろうが、誰がいようが「好きだ」と告白したり、社交ダンス部に勝手に2人分の入部届を出そうとしたり、女子の体育の授業にも潜入したりと、その言動は花実の都合なんて一切おかまいなし。 一方、花実は花実で、人と関わって感情が動かされるのを嫌い、「悦びもないけど悲しみもない」人生を望んでいるという、ある意味、病んでる女の子。静かに暮らしたいと望む、人間嫌い(ミザントロープ)の花実が、ヤンデレで積極的な小千谷くんと関わり騒がしい日々を過ごすにつれて、徐々に小千谷くんへの態度も考え方も変わっていくのです。

小千谷くんの明るいヤンデレ具合と、振り回される花実の苦悩や葛藤のギャップがコミカルなラブコメディ。一筋縄ではいかない2人の恋の行方に注目です。

『ミザントロープな彼女』を試し読みする

純愛とホラーの境界線!ほんわか系女子の過激な愛が癖になる!? 『こはるの日々』

こはるの日々

完結『こはるの日々』 全4巻 大城ようこう / 講談社

行き過ぎた愛は、どこかホラーめいて……。そんな高校生の恋模様が描かれるのが『こはるの日々』です。

ある朝、電車で転びそうになった同じ学校の後輩・睦月こはるを助けた、高校2年生の鳥居晃。別の日、家の最寄り駅の改札を出たところに、こはるの姿が。こはるは助けてくれたお礼といって手作りのクッキーを差し出し、晃は自分を上目遣いで見てくるこはるにドキッとします。

「お礼をしたくて待ってたんです」

と告げた後、

「調べたかいがありました」

と微笑むこはる。しかし、よくよく考えてみれば、これは怖いセリフです。なぜなら、晃のフルネームも、最寄駅も、こはるは事前に調べ上げ、彼が駅に姿を見せるのを先回りして待っていたのですから……。

かわいい外見と純粋さを併せ持つこはるは、一見普通の女の子です。ですが、晃のことになるとかなり行動はかなり過激。例えば、誰もいない教室で、晃の席に座って晃のリコーダーを舐め回したり、晃が捨てたペットボトルをゴミ箱から漁ったり、数分置きにメールを送ってきたり……。しかし、これらの行動は全て、晃が好きだから。晃がそれをどう思うかは考えておらず、悪気もなくできてしまうところに、こはるの行き過ぎた愛情を感じます。かわいくて、自分だけを一途に好きだと言ってくれる子がいたら、嬉しいと思ってしまう読者も多いのではないでしょうか? 晃も同じで、こはるの異常性に恐れを抱きながらも、徐々にほだされていきます。

実は作品内では、こはるが何を考えているかは描かれていません。読者はその意図を、こはるの言動から想像するしかなく、それがこはるの得体の知れなさを醸し出しているのかもしれません。晃のように、こはるを可愛いと思えるか否かは、あなた次第です。

『こはるの日々』を試し読みする

ヤンデレやツンデレな少女たちに愛される、ハーレム状態がうらやましい『恋愛暴君』

恋愛暴君

『恋愛暴君』 1〜11巻 三星めがね / フレックスコミックス

そのノートに名前を書かれた2人は必ずキスをさせられるという不思議アイテム「キスノート」。それを携えて地上へとやってきたキューピッドのグリが、高校生の藍野青司の前に現れたことから始まるラブコメディ。現在TVアニメも放送中の注目作品です。

以前から、学校のアイドル的存在で同じクラスの美少女・緋山茜に憧れていた青司。一方で茜も自分を意識してくれている青司のことを密かに想っており、グリがキスノートに名前を書くまでもなくカップル成立で、めでたしめでたし……と思いきや、茜の正体は強烈に嫉妬深いヤンデレだったのです。ナイフを常に隠し持ち、青司が浮気のような素振りを見せれば、すぐに襲いかかる暴力的な一面も持っていました。

ひょんなことからグリともカップルになってしまった青司と茜は、天使の加護を受け、不死身の体になります。つまり、ナイフで斬りつけられるという流血沙汰のイチャイチャが死ぬこともなく成立してしまうことになるのです!

「青司くんを傷つけていいのは私だけなの♡」

と、笑顔で言い放つ茜は、(普段は)かわいくて(青司のことになると)怖いヒロイン。そんな茜に頭が上がらない青司は、それを受け入れるのでした。

さらに、茜をストーキングするほど慕っている茜の妹・黄蝶ヶ崎柚(きちょうがさき ゆず)や青司を密かに慕っている青司の妹・あくあも加わり、事態は複雑に。青司は美少女たちに囲まれる、ハーレム状態なのです。

この作品のテーマは、実は、「キスノート」に頼らない本物の愛。誰が誰と強い絆で結ばれていくのか、ヤンデレ少女たちの活躍と合わせて、楽しんでください。

『恋愛暴君』を試し読みする

ヤンデレの生態が分かる小ネタも秀逸!『鳶田くんと須藤さん』

鳶田くんと須藤さん

完結『鳶田くんと須藤さん』 全2巻 理央 / 秋田書店

高校2年生の須藤凪子の前に現れた鳶田(とびた)くん。前髪メッシュと悪魔メイク、スタッズ付きのネックバンドというパンクロックスタイルはかっこいいのですが、その性根は完全なヤンデレでした。凪子との初対面で突然

「ねェ 俺が君の彼氏になってあげようか!」

と関係を迫ってくるのですが、当然凪子は拒否。一旦は逃げ去る凪子ですが、ヤンデレの情報収集能力はかなりハイスペック。結局、鳶田くんに縛られる日々に陥っていくのでした。

鳶田くんは、凪子の外出中に部屋に上がり込んでご飯を食べたり、盗聴器をしかけたり、さらには凪子のやっているオンラインゲームにも参加してきたりと、リアルでもネットでも付きまとってくるので、凪子のプレイバシーは丸裸! しかし、それらの行為は愛ゆえで、「悪意がないから余計たちが悪い…」と凪子は頭を抱えます。それでも一緒にいれば情が移るもの。ちょっとホメると照れ顔を見せたり、風邪を引いて弱っている時凪子に甘えてきたり、鳶田くんの「デレ」のかわいさは破壊力大なのでした。

「ヤンデレは病気なまでに嫉妬深い」とか「ヤンデレにとって相手の体の一部は宝(切った髪のこと)」とか、ヤンデレの生態を紹介した各話漫画内のメモも秀逸で、ヤンデレの生態とヤンデレとの生活の様子、両方が楽しめる作品です。

『鳶田くんと須藤さん』を試し読みする

メガネな美少年の狂おしいほどの一途な愛『私の…メガネ君』

私の…メガネ君

完結『私の…メガネ君』 全7巻 すもと亜夢 / 小学館

家が隣同士で、幼なじみの下多蝶子と天川(あまかわ)太一朗。子供の頃からメガネをかけていた太一朗を、蝶子はメガネ君と呼び、彼は蝶子の初恋の相手でした。ですが、小学生時代の蝶子の愛情表現は歪んでおり、メガネ君を独占したいがあまり、周囲に悪口をふりまき、メガネ君へのいじめを助長していたのです。そんな過去から、メガネ君に嫌われていると感じていた蝶子ですが、高校生になると、ずっと両想いだったことが判明。そこから2人の愛の暴走がスタートします。

蝶子も相当ですが、ヤンデレ度合いはメガネ君の方が上。初キス後に、部屋で1人、

「僕が本能のままに愛したら 君は簡単に壊れてしまいそうだね」

と、真顔でつぶやくのだからたまりません。嫉妬深さもかなりのもので、蝶子の愛情を独占しようとするがあまり、蝶子の友人・優子を誘惑して友情を壊そうとしたり、蝶子の陸上部の合宿所に深夜忍びこみ非常ベルを鳴らしたりするなど、その行動も常識の枠を超えています。メガネ君の知性的な顔の下には、狂おしいほどの蝶子への愛。一方、蝶子も、自分の将来や周りの心配が見えなくなるほど、メガネ君を愛しており、それを受け入れるのです。思春期ならではの盲目的な愛に身を焦がしたい方におすすめです。

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みんな少しずつヤンデレ? ミステリアスな展開も気になる『渡くんの××が崩壊寸前』

渡くんの××が崩壊寸前

『渡くんの××が崩壊寸前』 1~3巻 鳴見なる / 講談社

『ラーメン大好き小泉さん』の鳴見なる先生が描く、高校2年の男子・渡直人を中心にしたラブコメです。出てくるキャラクターたちが、それぞれ何かに異常なまでに執着しているところがあります。

まずは主人公の渡くん。両親を亡くし、小学4年生の妹・鈴と一緒に親戚中をたらいまわしにされてきた過去があり、現在は叔母・多摩代のお世話になっているという複雑な環境のせいか、かなりのシスコン。友達の誘いは全て断り、どんな時でも最優先は妹という生活を送っているのです。一方の鈴も、お兄ちゃんが大好き。叔母の庭を借りて、兄妹で家庭菜園を始めることにした時、

「これで完全に学校以外お兄ちゃんは鈴のものに」

と本音をポロリ。つまりは、共依存関係の兄妹なのです。

兄妹だけでも十分ヤンデレな雰囲気ですが、渡くんを巡る女性関係は他にも。6年前に渡くん一家の家庭菜園をめちゃめちゃにした“畑荒らし”の少女・館花(たちばな)紗月はストーカー。神出鬼没に渡くんの前に現れては、渡くんの名前を連呼し、つけ回します。また、渡くんと相思相愛のように見える癒やし系美少女・石原紫(ゆかり)や、叔母の多摩代も、どうやら心の中に一物を抱えている様子……。

なぜ紗月が再び渡くんの前に現れたのか、“畑荒らし”に隠された真実は何なのかなど謎が多く、また渡くんを取り巻く三角関係や兄妹関係も急速に変化していくので、ますます目が離せない作品です。

『渡くんの××が崩壊寸前』を試し読みする

ヤンデレ夫婦の日々を描いたエッセイ『日刊ヤンデレ夫婦漫画』

日刊ヤンデレ夫婦漫画

『日刊ヤンデレ夫婦漫画』 1~2巻 キュン妻 / KADOKAWA / メディアファクトリー

「君が他の人と話すからイライラして携帯折っちゃったよ」

のひと言で恋に墜ち、ヤンデレな夫と結婚したキュン妻先生。『日刊ヤンデレ夫婦漫画』は、ヤンデレで幸せいっぱいの夫婦のエッセイ漫画です。

今まで紹介してきた漫画に登場した高校生たちは、時にストーキングしたり、暴力を振るったり、思いっきり束縛したりと、さまざまな恋のアプローチをしていました。しかし、カップルが成立し、長い結婚生活に入ったら……、ヤンデレは夫婦間のトキメキを持続させる、絶好の要素だということが、この作品を読むと分かります。

キュン妻先生(妻)の夫は、高圧的で、束縛も強く、自分がいないと何もできないのが理想の妻。家事を完璧にこなそうとする妻に対して、夫は「要 教 育」とピシャリ。なにもできないようにと、手錠でベッドに縛り付けようとします。他にも、新婚生活の部屋決めの時には、

「部屋がひとつならずっとお前を監視できる」

という理由で1DKの間取りを主張したり、もし別れたら一生誰とも付き合わず妻のストーカーになると宣言したり……。そんな夫の病んだひと言ひと言に、妻はキュン死。お互いの趣向が合致した、本当に平和な夫婦です。

夫のけながいたち先生が文章を書いた『日刊ヤンデレ夫婦 365日愛を囁くヤンデレ夫の〈キュン妻〉観察日記』も。こちらでも、ふたりの幸せを味わってみてください。

『日刊ヤンデレ夫婦漫画』を試し読みする

最後に

溢れる想いを過激な言動で表現せずにはいられないヤンデレと、その愛を一身で受けるパートナー。どんな愛情表現でも、思い切って行動に移せば、何かが相手に伝わります。恋愛に臆病になりがちな私たちにとって、ヤンデレはひとつの大きな可能性を示してくれているのではないでしょうか? 極端でありつつも一途なヤンデレたちの恋愛に、きっと勇気をもらえること間違いなしです。

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