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最強の新撰組漫画ならこれ!ファンもビギナーも納得のおすすめ8選

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幕末、崩れゆく徳川幕府のために剣を振るい、最後は逆賊扱いされて歴史に消えた新撰組。わずか数年の活動期間にも関わらず、彼らの鮮烈な生きざまはドラマや映画で今も描かれ続けています。

TVアニメや舞台にもなった『新撰組異聞 PEACE MAKER』や、現在も『週刊少年ジャンプ』で連載中の『銀魂』など、漫画の題材やモチーフとしても取り上げられることの多い新撰組ですが、今回は新撰組がメインで活躍する漫画をピックアップしました。史実に近いもの、フィクションを交えつつも史実の要素を多く取り入れているものを中心に、選りすぐりの8作品をご紹介します。

哀しくも美しい新選組の最期『北走新選組』

北走新選組

完結『北走新選組』 全1巻 菅野文 / 白泉社

新選組といえば京都時代が華とされますが、この作品は鳥羽伏見以降を取り上げています。局長・近藤勇の刑死後も戦い続けた、野村利三郎、相馬主計、土方歳三、それぞれの最期を描いた3話構成。少女漫画ですが、中学の時から好きだったという新選組ファン歴が長い菅野文先生による、コアな知識と深い解釈が詰まった作品なので、新選組好きな方なら男女問わずおすすめです。

特徴はリリカルな美しさ。特に土方は、美形な上に繊細な内面が丁寧に描かれていて、何のために戦ったのか、何のために生きているのかと苦悩する姿が、はかなくも魅力的です。土方と野村が海を眺めながら交わす

「義に殉じた志士の血は――死した後 碧色になるという」
「…副長 俺の血は――碧になるでしょうか…」
「ああ なるさ」

という会話は、碧血碑を知るファンなら号泣もの! 滅びの美学が結晶となったような作品で、世界観に酔いしれてしまいます。

菅野文先生は『オトメン(乙男)』『薔薇王の葬列』などの話題作を手がける人気漫画家。新選組に対するあふれる愛情は、土方歳三・沖田総司を描いた『凍鉄の花』からもひしひしと感じられます。

『北走新選組』を試し読みする

男装の少女×緻密な考証に基づくリアリティ『風光る』

風光る(1)

『風光る』 1~37巻 渡辺多恵子 / 小学館

倒幕派に家族を殺された少女・富永セイは、仇を討つために男のふりをし、結成されたばかりの新選組に入隊します。が、憧れの「武士」だと思っていた新選組は、超貧乏で余暇には畑仕事をしていたり、商人を脅して遊興費をせしめたり……というありさま。脱走を考えるセイですが、沖田総司に優しく(?)しごかれるうちに「真の武士とは何か」に気づき、身も心もたくましい隊士に育っていきます。やがてセイは、沖田に恋するようになりますが……。

女であることを隠して隊士になった、と聞くと、フィクションならではの奇想天外さを想像しますが、さにあらず! 男性だらけの生活の中で、入浴や生理の時のごまかし方まで具体的に描かれていて、漫画でありながら、リアルな生活感を感じます。史実や風俗、人物の性格、新選組の運営なども反映されているので、通も納得できる作品になっています。一方で、ギャグ満載でストーリーのテンポもいいので、「新選組ものは初めて」という読者でも楽しめ、また、セイと沖田の交流がほほ笑ましくて、キュンとする場面も多いですよ。

1997年から長期連載中の本作。最新巻での史実に沿った展開は、時に切なく苦しいところもあり、これからも目が離せません。

『風光る』を試し読みする

硬派な新選組漫画『アサギロ~浅葱狼~』

アサギロ~浅葱狼~(1)

『アサギロ~浅葱狼~』 1~12巻 ヒラマツ・ミノル / 小学館

時は1854年、12歳の少年が殿様の御前で、大人の、それも剣術指南番という大物と試合し、打ち破りました。この少年こそ後の沖田総司。天然な沖田は彼に敗れた指南番から、切腹のための介錯を頼まれるのですが、「私がその刀で村上様の首を斬ると、何か良いことがあるのですか?」と無邪気に訊くのでした。

『アグネス仮面』『ヨリが跳ぶ』『REGGIE』などのスポーツ漫画に定評のあるヒラマツ・ミノル先生による、硬派な新選組漫画です。沖田だけでなく、近藤勇、土方歳三など試衛館メンバーの人生が、記録に基づきながらもイマジネーション豊かに造形されていて、深みと厚みのある群像劇となっています。斬られた体から骨や臓器が露出する描写は凄惨ですが、斬り合いの重みや、日常的に命のやりとりがあった幕末という時代のすさまじさが、ずっしりと伝わってきます。

とは言えこの作品、重いだけではありません! 要所で大マジメなギャグが入り、息抜きさせてくれます。もちろん、漫画ならではの「これぞ大勝負!」というスリリングな戦いもあります。沖田と斎藤一が果たし合う場面で地をえぐるような雨が降り、竹棒や簾などが飛び交う様子は、黒澤映画さながらの迫力! 時代劇ファンの方にもおすすめです。

『アサギロ~浅葱狼~』を試し読みする

強く熱い新撰組が躍動する!『ちるらん 新撰組鎮魂歌』

ちるらん 新撰組鎮魂歌 1巻

『ちるらん 新撰組鎮魂歌』 1~12巻 橋本エイジ・梅村真也 / ノース・スターズ・ピクチャーズ

「当たり前の事をやって何が面白ぇんだ? 誰にもできねぇ事をやんのが かっけぇんだろうが!!」

多摩石田村の土方歳三は、最強を求めるバトル野郎。道場へ殴り込んではケガ人を量産し、家業の薬を売りつけるという道場破りの日々を送っていました。しかしある日、クセのある面々が居候する試衛館に乗り込んだ歳三は、道場主の近藤勇にボコボコにされます。その強さに魅せられた歳三は門弟となり、仲間たちとバトルの世界へ乗り出していくのでした。

個性的な登場人物がそれぞれ独自の技を発揮し、協力し合って勝ち抜いていくという、王道バトル漫画的な魅力がたっぷりの作品です。原田左之助がショートヘアでピアスをじゃらじゃら着けていたり、藤堂平助がバンダナを巻いていたりと、キャラの外見は今風で、戦い方も格闘技のよう。それでいて、山南敬助がインテリだったり、斎藤一に人を斬って江戸を出た過去があったり、試衛館派と芹沢派の協力~抗争に至る経緯が独自の解釈で織り込まれていたりなど、通なら分かるツボがきっちり押さえられています。意外な人物造形と史実とのバランスが面白い本作、読んでいると新撰組ファンは心がうずうずしちゃいますよ。

『ちるらん 新撰組鎮魂歌』を試し読みする

繊細に描かれる「鬼の副長」『ひなたの狼―新選組綺談―』

ひなたの狼―新選組綺談― (1)

完結『ひなたの狼―新選組綺談―』 全5巻 斎藤岬 / 幻冬舎コミックス

新選組の結成前~芹沢派粛清までを、史実に忠実に描いている作品です。斬新なのは主要キャラの描き方! 男らしいイメージの強い土方歳三が、女と見まごうほどの美貌の持ち主になっています。その上ナイーブな性格で、どう生きるべきか悩み、傷つき、もがいています。実際に、土方は「実は優男だった」という説もあるくらいなので、あながち荒唐無稽なわけでもなく、「もう一つの土方歳三」を楽しめる作品となっています。当初は子どもっぽい土方なのですが、ストーリーが進むにつれて、凛々しく男らしい表情に成長していくのも見どころです。

ほかにも、美少年の印象が強い沖田は美形ではなく、ガタイのいいたくましい男に描かれていたりと、古くからある一般的な「新選組像」からは大きくイメージを外したキャラの造形が個性的です。

一通り、新選組関連の作品を読んでいて基礎知識がある方が読むと、その違いも含めて楽しめる作品です。

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ある新選組隊士の生きざまを描いた重厚な歴史大作『壬生義士伝』

壬生義士伝 1

『壬生義士伝』 1~5巻 浅田次郎・ながやす巧 / 集英社

浅田次郎先生が第13回柴田錬三郎賞を受賞した小説を、ながやす巧先生がコミカライズした作品です。テレビドラマや映画にもなっている大ヒット小説の漫画版ですが、大ベテランのながやす先生らしく、緻密な描写と巧みな構成で原作の世界を再現し、第39回日本漫画家協会賞・優秀賞を受賞しました。

物語の始まりは慶応4年1月、鳥羽伏見の戦い直後の大阪。重傷を負った新選組隊士・吉村貫一郎は、南部藩の屋敷に逃げ込みます。実は吉村はかつて南部藩を脱藩した身。再び藩に仕えたいと申し出ますが、かつては藩を裏切り、今は新選組を裏切ろうとしている卑怯者とののしられ、切腹を申し渡されてしまいます。最後に人生を振り返る吉村。自身の回想や、彼を知る人物たちの証言によって、なぜ彼が藩を捨てたのか、何のために生きたのかが少しずつ判明していきます。

戦に負けてボロボロの状態で逃げ、昔の知人からも軽蔑される吉村。どこから見ても惨めなありさまですが、人間的な魅力がじわじわ見えてくるところが、さすが浅田作品です。川面を船が行き交い、綿入れで寒さをしのぎ、真剣で斬り合っていた幕末という時代がリアルに伝わってくるのは、ながやす先生の画力による漫画版ならではの魅力ですよ。

『壬生義士伝』を試し読みする

敵である長州藩側から見た新選組を描く『太陽を堕とした男』

太陽を堕とした男 1巻

完結『太陽を堕とした男』 全1巻 会田薫 / 講談社

慶応元年、新選組局長・近藤勇は長州との会談のため広島へ向かいました。そのとき、獄から引き出して連れていったのが赤根武人です。長州・奇兵隊の第3代総督だった赤根は、藩への失望や奇兵隊創設者・高杉晋作との確執から長州を脱し、その後、幕府側に捕えられて入牢していたのでした。長州に愛想を尽かしたという赤根は、幕府に尽力を誓うと同時に、内偵として長州へ潜入することに同意。高杉に対する深い憎悪に裏打ちされた行動を開始するのでした。

新選組を、敵である長州藩側から描いているのが本作の特徴。登場人物のキャラが立っており、新選組の参謀・伊東甲子太郎の言動が、薩長の密約をも赤根の胸中をも見透かしているようで、妖しく不気味です。赤根が

「あの男は…高杉晋作は神でも英雄でもないぞ!」
「あの男は詐欺師だ!」

と叫べば叫ぶほど、憎悪の裏にある高杉への憧れがにじみ出てしまう辺りは、人間ドラマとして秀逸です。赤根の複雑な心境に感情移入しながらも、赤根と高杉のあまりにも強い魂の結びつきには、ゾクゾクさせられます。読了後に赤根の表情と言葉が脳裏に焼き付いて離れない、骨のある作品です。

作者の会田薫先生は、『梅鴬撩乱―長州幕末狂騒曲―』『疼く春』など、幕末の長州を舞台とした作品が多い漫画家。大正末期を描いた『螺旋の素描』もおすすめです。

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若手隊士たちの青春をほろ苦く描く『壬生狼ヤングゼネレーション』

壬生狼ヤングゼネレーション(1)

『壬生狼ヤングゼネレーション』 1~2巻 柏葉ヒロ / 小学館

実在した新選組のマイナー隊士「隊中美男五人衆」の日常をコメディタッチで描いた作品。髪型や服装を気にしたり、バカ話で盛り上がったりと、普通の男子高校生のようなノリでキャッキャしてる隊士たちがほほえましくも可愛いです。とはいえ、それだけで終わらないのがこの作品の魅力。コメディパートに混ざるシリアスの描き方が非常にうまく、ほのぼのとした日常が不穏に塗り替えられていく様子は、胸がぎゅっと切なくなります。

五人衆と言いつつ、4人しか出てこないのにも理由があります。佐々木愛次郎という仲間の一人が、恋人のために隊を脱け、駆け落ちしたのです。4人は愛次郎からの便りを心待ちにしていますが、実は……。

そのほか、芹沢局長の暗殺や、間者(スパイ)の存在など、新選組の暗部についても触れられており、史実のエピソードがうまく取り入れられています。新選組初心者の方はもちろん、コアなファンの方にもおすすめの作品です。

『壬生狼ヤングゼネレーション』を試し読みする

最後に

新撰組漫画は、サムライや斬り合いなど時代劇の面白さを持つだけでなく、個々のキャラの魅力や人間ドラマとしての深さ、滅びゆく者の「あはれ」など、さまざまな見どころを持つジャンルです。

男性作家だけでなく、近年はファン歴の長い女性漫画家も増えてきており、耽美性や繊細さのある作品が生まれています。十人十色の「新撰組」を、味わってみてください。

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