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【恋愛・部活】思春期を描くおすすめの青春漫画23選

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体も心も日に日に成長していく青春時代。喜びも悲しみも悩みもあらゆることが糧になり、濃密な時間を過ごすことができる季節です。そして、中学も高校も3年という短さ。出会いと別れのドラマが、そこには必ずあるのです。そんな青春を描いた漫画は数知れず。今回はその中から、恋愛系と部活系に分けて、今おすすめの23作を紹介します!

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恋愛系青春漫画12作品

まずは恋愛系の青春マンガをご紹介します。甘酸っぱい恋模様を読みたい方は要チェック!

『思い、思われ、ふり、ふられ』

『思い、思われ、ふり、ふられ』

『思い、思われ、ふり、ふられ』 1〜10巻 咲坂伊緒 / 集英社

同じマンション、同じ学校の男女4人の恋が交錯する

まずは恋愛系から。最初に取り上げるのは、『ストロボ・エッジ』『アオハライド』など数々の青春恋愛ストーリーを描いてきた咲坂伊緒先生の最新作です。第63回小学館漫画賞を少女向け部門で受賞しました。

本作の特徴は、主人公となる女の子が2人いることです。そのひとり、市原由奈は人見知りが激しい女の子。もちろん男の子と付き合った経験はなく、初恋の相手は小さい頃に読んだ絵本の中の王子様というような子でした。そんな彼女が街で偶然知り合ったのが、山本朱里。同い年で同じマンションに住み、この春、同じ高校に入学することが分かり、2人は打ち解け合います。

そんな2人が最初にぶつけ合ったのが、恋愛に対する考え方でした。朱里はリアルな恋愛経験のある女の子。男の子と話して合いそうだと感じたら、「恋に落ちに行く準備」をすると言います。それに対し、由奈は男子と話すのさえ得意じゃないけど、「こんな私の事を見つけてくれて 好きになってくれる運命の人」がいつかきっと現れるという夢を持っていました。こんなふうに恋愛観は正反対の2人ですが、何でも話すことができる親友同士になっていきます。

そして、同じマンションに住み同じ学校に通う男の子も2人。ひとりは、由奈が街で見かけて、絵本の王子様に似ていると感じた男の子・山本理央です。朱里と同じ山本姓ということですぐに察していただけたと思いますが、彼女の同い年の義理の弟です。もうひとりは、由奈の幼なじみの乾和臣。由奈が唯一、普通に話せる男の子で、爽やかだけど恋にはものすごく疎いタイプ。

このようにして、第1巻の冒頭から一気に2×2の関係が出来上がって、それぞれの恋のベクトルが入り乱れ、ストーリーは進んでいきます。本当は誰のことが一番好きなのか、自分でも分からなかったり、恋する気持ちをずっと隠し持っていたり、思い切って告白して振られたり、思春期ならではの繊細な恋心を、夏祭り、秋の文化祭、クリスマス、そしてバレンタインと、季節ごとのイベントを通して丁寧に描いていきます。そして、由奈と朱里の友情も爽やか。清々しい気持ちになれる恋愛漫画です。

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『青のフラッグ』

『青のフラッグ』

『青のフラッグ』 1〜5巻  KAITO / 集英社

友達でいたい? それとも恋したい? 同性に恋する気持ちにも踏み込む

ウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』に連載され、多くの読者の共感を呼んでいる青春漫画です。

物語の舞台となるのは男女共学の青浜高校。主人公・一ノ瀬太一は、3年生に進級する時のクラス替えで、幼なじみの三田桃真(みた とうま)と同じクラスになります。「中3以来じゃね?」と笑顔で話しかけてくる桃真に、太一は引き気味。なぜなら、帰宅部で目立たない存在である太一に対し、桃真は野球部のキャプテンで人柄もよく、ユーモアに満ちていて、みんなの人気者だったからです。

そしてクラスには、太一のように地味な存在がもうひとり。小柄な女の子の空勢二葉(くぜ ふたば)です。太一とは1年の時からずっとクラスが同じで、何をやっても鈍くさく、自己主張できない二葉にはいつもイライラしていました。なぜなら、自分の姿を鏡で見ているような気分になるからです。

そんな二葉が、太一に恋の相談を持ちかけてきたところから、物語は動き出します。片想いの相手は桃真。タイプが違いすぎて絶対に無理だろうと感じつつも、太一は二葉の相談に乗っていくのでした。

第1話のラストに、太一の

「そんなクソ忙しいこの時期に オレ達三人は同じクラスになってしまった」

「親友か 恋人か この時のオレはまだ その結末を 知らない」

というモノローグがあります。その言葉が示すように、進路を考えなければいけない高校3年という時期に、彼らの恋の物語が始まっていくのです。第1話の段階では、二葉の桃真への想いが明らかにされただけですが、後に二葉の親友・伊達真澄(いたち ますみ)も加わり、恋愛模様はどんどん複雑になっていきます。

それにしても、「親友か 恋人か」というのは、かなり意味深な言葉です。その意味が分かるのは第1巻のラスト。本作は、男子と女子のヘテロセクシャルな恋愛を描くだけでなく、同姓同士のそれにも踏み込んでいくのです。しかも、ファンタジーとして描くのではなく、あくまでリアルな高校生達のドラマに、LGBTというテーマを取り入れているのが、素晴らしいところです。

ちょっとした表情や仕草、もしくは何気ないセリフの中に、キャラクター達の簡単には表に出せない想いを感じ取ることができるのが、KAITO先生の手腕。伏線の張り方も見事で、ネットでは多くのファンが謎解きで盛り上がっています。

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『僕と君の大切な話』

僕と君の大切な話 1巻

『僕と君の大切な話』 1~4巻 ろびこ / 講談社

ズレてる2人の会話がおかしくて可愛い!

『となりの怪物くん』のろびこ先生による最新作は、「”トーキング”ラブコメディ」。高校2年生の相沢のぞみは、駅のホームのベンチで、同級生の東司朗(あずま しろう)に告白。ですが、東くんからは「女から告白するのは愚策」と、謎の理論で説教されてしまいます。

東くんを追いかけ、こっそりシャーペンや消しゴムを盗んだりしてしまうストーカー的な相沢さんと、ちょっと理屈っぽい東くんのやり取りがクセになる作品です。男女の恋愛観の違いでよく言い争いになってしまい、なかなか(というよりも、ほぼ全く?)話が噛み合わない2人ですが、

「たとえば 僕と君が違う星の人間だとして
それをつなぐのは言葉だろう
だったら こちらから閉ざしてしまうのはあまりにももったいない」

という東くんのセリフは、心に響きます。価値観が違うからこそ生まれる楽しさやトキメキを少しずつ学んでいくのも、恋愛の醍醐味ですよね! 微妙にズレている2人が、ちぐはぐな会話をしながら、亀の歩みのごとく距離を縮める過程には、ニヤニヤとキュンキュンが止まりません。

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『雛鳥のワルツ』

『雛鳥のワルツ』

女子校育ちの主人公が、最初に恋した男の子は?

完結『雛鳥のワルツ』 全9巻  里中実華 / 集英社

女子がたった4人しかいない高校で、男性に免疫のなかった主人公が恋のファーストステップを踏む青春恋愛漫画です。

主人公・百瀬ひな子は、幼稚園から中学までずっと女子校育ち。そんな彼女が、元男子校で女子は新1年生の4人だけという高校に入学したところから、物語はスタートします。男子の体格や声の大きさに驚き、何人もの異性の視線を浴びていることに息がつまるひな子。「私、ここでやっていけるの…?」という不安が、頭の中いっぱいに広がります。

そんな彼女の前に現れたのが、2人のイケメン同級生。明るく元気で女の子への接し方も手慣れている和久井瑞希と、クールなメガネ男子・椎名駿です。

タイトルが示す通り、本作は、男子に恋をするのはおろか、親しく接することも初めての“雛鳥”であるひな子の恋の物語。三拍子の“ワルツ”は三角関係の比喩になっているのも明白です。陽気な瑞希も魅力的な男の子なのですが、ひな子が心を傾けていくのは、冷たそうな態度の中に優しさが潜んでいる駿のほうです。出会った早々、同級生の女の子を盗撮した男子を、着替え途中の姿のまま追いかけた廊下を走ったひな子に、そっと自分の上着をかけてくれた駿。「行くよ」と優しくエスコートしてくれたことにお礼を言ったら、今度は「うぬぼれるな」とぴしゃり。このツンデレ振りには、ひな子でなくてもハマってしまいそうです。

一方の瑞希は、感情表現が豊かで、友達のために体を張るひな子から目が離せず、「やべーかも」とひと言。恋に落ちていくことに。3人のワルツ、一体どのような展開になっていくのか、気になります。

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『ハツカレコロス』

『ハツカレコロス』

完結『ハツカレコロス』 全1巻 大川なぎ / 講談社

ひどい振られ方をした初カレが、より強引になって戻ってきた

不穏なタイトルではありますが、もちろん「コロス」の裏側には「好き」という気持ちが隠されています。中学時代の初カレと、高校生になって再会するストーリーです。

中学3年生の冬に、付き合い始めて1年の彼氏・吾妻嵐(あずま あらし)に、「飽きたから別れるわ」と唐突に言われた間唯衣(あいだ ゆい)。それから約2年、高校2年生の新学期を迎えた今も、その場面を夢に見るほど、トラウマになっていたのでした。

しかし、今の唯衣には、芙家(はすや)くんという気になる男子が。クラス替えで同じクラスになり、これからもっと近づいていきたいと思った時、教室に吾妻がいることに気づきます。唯衣と別れた後、引っ越していったはずの吾妻がなぜここに。心の整理がつかない唯衣に対し、吾妻は強引に復縁を迫ってきます。

芙家くんはイケメンですが、図書委員をするようなマジメで控えめなタイプ。それに対して、吾妻はかなりの俺様キャラです。そんな2人の間で唯衣は心を揺らせるのかと思いきや、どんどん元サヤに戻っていくのが本作の特徴です。吾妻に、授業中の教室でいきなりキスされた時、唯衣は「大キライ…」と涙を流し、心の中で「初カレ…コロス!」と念じるのですが、不敵に微笑む吾妻にペースを握られているのは見え見え。ずっとくすぶっていた初カレへの気持ちに再び火がつくと、どんどん好きになっていく流れには、清々しさすら感じます。イケメンに翻弄されたい人にオススメです。

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『さくらと先生』

『さくらと先生』 

完結『さくらと先生』 全5巻 蒼井まもる / 講談社

10歳年上の先生との恋が、爽やかに描かれる

生徒と先生の恋を描いた漫画はいくつもありますが、本作ほど穏やかな時間が流れ続けるものは、稀なように思います。主人公・湊さくらが高校入学してから、卒業に至るまでの3年間。それはまるごと、一人の先生に恋をした時間でした。

初登校の日、学校へと向かう長い坂道をママチャリで懸命に登っていたさくらは、同じように自転車で登っている、一人の男性の背中を見ます。首にほくろがあるのに気づいたさくらは、学校でほくろのある若い先生を探し、簿記担当の教師・藤春啓介との出会いを果たします。

最初は、恋とも言えないような淡い想いを抱くだけだったさくら。しかし、直接言葉を交わすごとに、恋する気持ちは少しずつ大きくなっていきます。さくらの心の動きが、実に丹念に描かれているのが本作。たとえば、生徒の名前を覚えるのが得意という藤春が、自分の名前を覚えていなかったことに、さくらはショックを覚えます。しかし、これは後の伏線。藤春は、春の満開の桜の下、一生懸命に自転車をこいでいた女子生徒のことをはっきり覚えていて、

「名前がさくらっていうもんだから 強烈で ついきのうは 苗字をど忘れしちゃいました」

と告白するのでした。この時の藤春の笑顔は爽やかすぎて、読んでいて照れるくらいです。

10歳も年上の藤春を、「先生は笑うとフツーに同い年の男子みたい」と感じるさくら。少しずつ2人の距離は縮まり、文化祭の後夜祭でついに……。先生として節度ある接し方をしつつも、次第にさくらを恋の相手と捉えていく藤春の態度も紳士的で、恋を大事に育てていく2人に共感できる作品です。

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『ストロボ・エッジ』

ストロボ・エッジ 1

完結『ストロボ・エッジ』  全10巻 咲坂伊緒 / 集英社

ピュアで真っ直ぐな少女のビターな初恋模様に胸キュン!

『アオハライド』と並ぶ、咲坂伊緒先生の代表作。正統派の青春胸キュン漫画です。

何人もの女子に告白されながら、誰にもOKを出したことのないイケメン・一ノ瀬蓮。下校途中の電車の中で、偶然彼と会話を交わした木下仁菜子は、「冷たい男の子」と噂の彼に、爽やかな笑顔を向けられた瞬間、恋に落ちたのでした。それをきっかけに、次第に仲良くなっていく仁菜子ですが、蓮には年上でモデルの彼女がいることを知ります。

恋愛とは無縁だった仁菜子ですが、外見のカッコよさだけでなく、蓮の内面のさり気ない優しさに気付き、段々と彼への気持ちを募らせていきます。彼女がいることを知っても、

「報われないって分かっても消えないんだもんっ」

と、蓮に恋した自分の気持ちを大切にします。ピュアでまっすぐな仁菜子の初恋の始まりはちょっぴりビターですが、こんなにも純粋に人を好きになれる彼女のことが羨ましくなるはず。

私の初めて好きになった人が 蓮くんでよかった――

こんなに愛しい気持ちを私に教えてくれてありがとう

話したり、一緒に帰ったり、些細なことで胸がいっぱいになる仁菜子を、応援したくなる作品です。

一方の蓮は、年上の彼女のことを大切に思いながらも、明るくて元気な仁菜子の存在が大きくなっていき、葛藤を抱えることになります。相手のことを真剣に考えるからこそすれ違い、汚れを知らない2人の恋がまぶしく描かれています。

また、仁菜子の友人たちの恋愛模様や友情など、周囲の人間関係も多彩。各巻の巻末にはサブキャラクターにスポットを当てた番外編も収録され、群像劇が楽しめるのも魅力です。

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『俺物語!!』

俺物語!! 1

完結『俺物語!!』 全13巻 アルコ×河原和音 / 集英社

巨漢高校生の「純愛」と「友情」に胸キュンが止まらない!

身長2メートル・体重120kg(ともに推定)の巨漢で角刈りの剛田猛男と、クールなイケメンの砂川誠は幼馴染みの親友同士。高校に入学したばかりの2人は、電車の中で、女子高生の大和凛子を痴漢から救います。今までの女の子たちのように、大和が砂川に一目惚れしたと思い込む猛男でしたが、 彼女が本当に恋していたのは、たくましい力で自分を救ってくれた猛男なのでした。

この作品の胸キュンポイントは2つ。まず、猛男と大和の「ピュアラブ」! 砂川がキューピッド役を務め、付き合うことになった猛男と大和の恋模様は、初々しくて甘酸っぱい! 猛男は、大和の笑顔を見ては「好きだ」、クッキーをもらっては「好きだ」……止まりません! 一方の大和も、

「たけおくんと手 つなぎたい!」「…あと ときどき くっついたりとかも……したいの……」

など、照れながらも、きちんと気持ちを伝えるのがいじらしい…!

もう1つの胸キュンポイントは、猛男と砂川の「友情」! 誰よりも猛男のかっこよさを知り、猛男の幸せを願い、猛男と離れると寂しさすら感じてしまう砂川は、本作のもうひとりの“ヒロイン”といっても過言ではありません! 普段はクールな砂川が、猛男と一緒にいる時だけ見せる楽しそうな笑顔に、我々の心は鷲掴みされてしまいます。恋愛と友情、どちらの胸キュンも存分に楽しめる作品です。

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『orange』

orange (1)

完結『orange』 全5巻 高野苺 / 双葉社

もしも未来が分かったら、大切な人を救えるだろうか――

16歳の女子高生・菜穂はある日、「10年後の私」から手紙を受け取ります。それには転校生・翔の死を止めるために、するべきこととしてはならないことが書かれていました。翔を想うようになった菜穂ですが、引っ込み思案な性格が災いして、なかなか指示どおりに行動できません。果たして翔の運命は……。

未来からの手紙という設定はファンタジックですが、内容はリアルで、初恋や誤解、すれ違いなどティーンズの青春を細やかに描いています。翔の心をひらこうと菜穂が試行錯誤を重ね、そのため互いにより傷つき、それでも分かり合おうとする様子は切なさ満点! 土屋太鳳さんと山崎賢人さん主演で映画化もされた本作、作者は『夢みる太陽』なども描いている高野苺先生です。

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『君に届け リマスター版』

君に届け リマスター版 1

完結『君に届け リマスター版』 全30巻 椎名軽穂 / 集英社

ピュアで爽やかな恋物語にトキメキが止まらない

本当は前向きで明るいのに、見た目が陰気なために、人から誤解を受けやすい爽子は、クラスの人気者の風早に憧れています。今まで人に自分の気持ちを伝えることができなかった爽子は、風早の一言で変わり始めます。

アニメ化と実写映画化もされ、人気を博した本作の見どころは、爽子のピュアさ。物事を前向きに考えられる素直さや、人からの好意や言葉を1つ1つ噛みしめ、日々を大切にしようとする姿に心洗われます。そんな爽子の良いところに気付き、誤解とすれ違いを経て、絆を深めた女友達とのエピソードも爽やかです。また、忘れてはならないもう1つの見どころは、爽やかイケメンな風早との恋愛。「憧れ」から「好き」へと変化し、徐々に縮まっていく2人の距離にトキメキが止まりません。

人を好きになり心を通わせる喜びとピュアな気持ちを思い出させてくれる本作は、10年にわたる連載がついに完結。『別冊マーガレット2018年1月号』には、『青空エール』の河原和音先生や『アオハライド』の咲坂伊緒先生、『東京喰種』の石田スイ先生などの方々が『君に届け』にイラストとメッセージを寄せています。

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『青春しょんぼりクラブ』

青春しょんぼりクラブ 1

完結『青春しょんぼりクラブ』 全15巻 アサダニッキ / 秋田書店

当て馬女子が、めげずに手に入れた本物の恋!

好意を抱いた男子はほぼ100%の確率で、別の彼女ができてしまう「当て馬体質」の桃里にまは、同学年の三刀屋(みとや)依子から「青年心理研究会」(青心研)に誘われます。青心研は、やっかいな恋しかできな人たちが、部員兼依子の研究対象として所属し、恋愛の心理を研究するという部活。部員は依子を含めて3名で、1人は、男嫌いの美人の幼馴染みに恋したせいで女装がクセになってしまった2年の先輩・隠岐島武。もう1人は同じく2年の、アニメオタクで2次元しか愛せない簸川(ひかわ)諒。4人は心の傷を癒やしながら、次の恋に向けて歩き出します。

タイトルにある「しょんぼり」という言葉通り、「失恋」がキーになっている本作。青心研のメンバーだけでなく、にまに関わる人々の、うまくいかない恋模様が描かれています。本作のポイントは、にまが初めて「本物の恋」を経験すること。簡単に男の子を好きになっては失恋を繰り返していたにまが、絶対に失いたくない大切な人を好きになってしまったために、過去の恋愛のトラウマと葛藤したり、告白すべきか悩んだりします。恋に落ちるときの煌めき、片想いの切なさ、告白する瞬間のドキドキ、失恋の悲しみ、それでも諦められない想いなど、本作には恋する女子の胸キュンがたくさん詰まっています。悲しい思いをたくさんしてきたにまが、めげずに愛を探す物語は、恋に疲れてしまった方にもきっと勇気と希望をくれるはずです。

アサダニッキ先生にとっては初の長編。アニメ研究会や手芸部、珠算部などがメインキャラとして登場し、文系青春漫画としても楽しい作品です。

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『君が隣にいるなんて』

『君が隣にいるなんて』

完結『君が隣にいるなんて』 全1巻 石沢うみ / 講談社

はじめての彼氏との恋を描く直球のラブストーリー

1巻完結の読みやすいラブストーリーです。主人公・水原咲弥は、男子を前にすると緊張して話ができなくなってしまう高校1年生。でも心の中にはずっと、「わたしだって 恋がしたい」という気持ちがありました。

そんな彼女の恋の相手になっていくのがクラスの人気者・紺野です。いつも周囲に人が集まっている紺野を遠巻きに見ていただけの咲弥でしたが、誰もいない教室で話かけられたのをきっかけに、彼を意識。飛んでくるサッカーボールから守ってくれた時に、唇と唇が触れてしまう恋のハプニングがあったりして、2人は急接近していきます。

おとなしい女の子が、クラスでトップクラスのイケメンに好かれる。少女漫画の王道の展開を、奇をてらうことなく見せてくれる本作。一旦恋すると咲弥は積極的。自分から告白し、それを聞いた紺野は「先越されたわ」と爽やかに微笑みます。ですが、いい感じになったところで、紺野の元カノが登場。咲弥の心に不安が渦巻くことに……。

山あり谷ありのストーリーをコンパクトにまとめ、咲弥の大胆な宣言で終わるラストも好感度大。気楽に楽しめる作品です。

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部活系青春漫画11作品

ここからは部活系青春漫画です。学生自体の限られた時間の中で、部活動に情熱を注ぐ学生を描いた作品です。

『ぼくらの17-ON!』

『ぼくらの17-ON!』

完結『ぼくらの17-ON!』 全4巻 アキヤマ香 / 双葉社

5人がチームとなって競い合う「俳句甲子園」が面白い

まずは、最近、TVのバラエティ番組でもおなじみの俳句を扱った本作を紹介します。

「何でもほどほど」をモットーに、夢中になるものを持たずに生きていた県立西高校2年生の久保田莉央。しかし、街で偶然ぶつかってしまった女の子・錦織彩に一目惚れしたことをきっかけに、彼の人生は大きく変わっていきます。

第一女子高校の俳句部の部長だという彩は、西高の俳句愛好会とも交流を持っていました。それを知った莉央は、彼女に近づきたいという一心で俳句愛好会に入ります。不純な動機で俳句を始めることになった莉央でしたが、最初に作った句を顧問の先生や部長の山本春樹に誉められたこともあって、すぐに俳句の魅力に取りつかれていきます。

莉央の句の魅力は、自由な発想と瑞々しい表現力です。たとえば蝸牛(カタツムリ)というお題を与えられて詠んだ

「金星とツノを出さないカタツムリ」。

莉央がその句を発表すると、周りが一瞬、その鮮烈なイメージに息を飲むというシーンがあるのですが、確かにとてもいい句だと思いませんか?

部長の山本の夢は、5人一組となって競う「俳句甲子園」に出場することでした。社交的な莉央がクラスメートを誘って、それが実現。晴れて俳句部にランクアップし、「俳句甲子園」の地方予選にエントリーします。ここからは他校との勝負がストーリーの柱に。部活モノとして、どんどん盛り上がっていきます。

「俳句甲子園」への出場経験もある俳人の佐藤文香先生が監修を担当。詠むだけでなく、他人の句をどう表現するかも勝負のポイントで、俳句の魅力と「俳句甲子園」の面白さがよく伝わってくる作品です。

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『ちはやふる』

ちはやふる 1巻

『ちはやふる』 1~40巻 末次由紀 / 講談社

青春すべてを賭けた、競技かるたへの情熱

「お姉ちゃんがミスコンで日本一になること」が夢だった小学6年生の千早は、転校生の新(あらた)と出会い、「競技かるた」の魅力を知ります。それをきっかけに、千早は「かるたで日本一になること」を夢に抱き、新と幼馴染の太一と、かるたにのめり込んでいきます。

文化系に見えて、スポ根要素が多い「競技かるた」をテーマに、男性も楽しめる少女漫画として、BookLive! の年間ランキングも常に上位に位置している人気作です。本作の見どころは3つ。1つは、主人公・千早のかるたへの情熱。より強く、より上手くなるために、ひたすら努力を重ね、かるたに青春を賭けている千早。夢に向かってがむしゃらに努力を重ねる姿はアツく、清々しさを感じます。2つ目は千早を囲む、新・太一の恋の三角関係。小学生の頃から太一は千早のことが好きで、一方の千早は新が気になる……と、小学生から高校生になった3人の恋の行方にも注目です。3つ目は、個性豊かな仲間たちとの切磋琢磨。同じ高校の仲間もさることながら、他校のライバルも個性豊かで強敵なのです。競い合って、お互いを高め合う姿は、青春の爽やかさを感じさせます。

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『この音とまれ!』

この音とまれ! 1

『この音とまれ!』 1〜18巻 アミュー / 集英社

箏曲部で、和楽の魅力を知る

先輩が卒業し、唯一の箏曲部員になってしまった倉田武蔵。新入部員が見つからず、不良のたまり場となった部室に悔しい思いをしていたが、ようやく現れた入部希望者は、中学時代に警察沙汰を起こしたという噂の久遠愛。さらに箏(こと)の家元の娘・鳳月さとわが入部することに。メインの3人に、徐々に部員が加わっていき、校内での演奏会や大会などを経て、彼らは箏曲部として成長を遂げていく。

あとがきによると、作者は3歳から箏を習っている経験者だそうです。小学生の頃から箏の漫画で連載するという夢を持っており、これが念願の初コミックスだとか。その想いもあり、演奏シーンの描写は圧巻です。激しい箏の曲では、音の波がうねってぶつかるように迫ってきます。2つのパートの掛け合いで1つのメロディーを作るところなど、難しいシーンで武蔵と愛の音が「ハマる」瞬間は、思わず鳥肌が立ちますよ。

箏のことをよく知らない人でも楽しめるよう、曲ごとに調弦する必要がある(曲に合わせて必要な音の並びを作る)ことや、演奏する時に指につける「爪」のことなど、基本的な知識やルールも丁寧に描かれています。実際は、流派や流儀などが複雑に分かれている箏の世界ですが、本作では箏曲部のメンバーの青春ストーリーと共に、分かりやすく知識を得ながら楽しむことができます。

お正月の番組で流れている曲くらいしか聞いたことがない人でも、「箏ってこんなにかっこいいものなんだ!」と、新鮮な驚きが味わえる作品です。

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『あさひなぐ』

『あさひなぐ』

『あさひなぐ』 1〜27巻 こざき亜衣 / 小学館

薙刀にかける女の子達の青春を熱く描く

袴姿の女の子には、独特の凜とした雰囲気があります。剣道や弓道がその筆頭だと思いますが、本作が取り上げるのは薙刀(なぎなた)。競技人口が少ない薙刀の魅力を知ることができますし、武道系ならではの熱いストーリーが展開されます。

主人公は高校1年生の東島旭(とうじま あさひ)。

「高校生になったらいままでとは違う私になる」

と誓った彼女は、見学に行った薙刀部で「スポーツに縁のなかった人間が、ある時突然全国にその名を轟かすようになる」「薙刀は高校部界における、アメリカンドリームなのよ!!」という先輩の力強い言葉を受けて、入部を決意します。美しくて強い2年生・宮路真春の存在も、彼女の気持ちを後押ししたのでした。

しかし、初めての本格的な武道を身につけていくのは、かなり困難な道。他の新入部員と一緒に地道に練習していく様子が、序盤は丹念に描かれていきます。また、剣道と同じ面、銅、小手に加えて、スネを狙えるのが特徴といった薙刀のルールや、独特の試合形式も丁寧に解説されます。

旭の薙刀人生が本格的に始動するのは、3年生が引退し、2年生と1年生の新体制になってから。2年生3人、1年生3人という少数精鋭(?)となり、部員達の個性も分かりやすくなって、物語が進んでいきます。旭が大きく成長するのは尼寺での合宿。薙刀教士の段位を持つ尼・寿慶(じゅけい)の厳しい指導を受けた旭は、自らの間合いと得意技を会得するのでした。

ライバルとしては、頑固な九州娘・一堂寧々のキャラクターが強烈。才能溢れる一匹狼というキャラで、旭や真春とどう関わっていくか、注目してください。

第60回(平成26年度)小学館漫画賞一般向け部門を受賞。2017年には西野七瀬さんの主演で映画化されたのも、記憶に新しいところです。

『あさひなぐ』を試し読みする

『ナナマル サンバツ』

『ナナマル サンバツ』

『ナナマル サンバツ』 1〜16巻 杉基イクラ / KADOKAWA / 角川書店

ただ答えるだけじゃない? 競技クイズの駆け引きがすごい

高校のクイズ研究会を舞台にした部活漫画です。彼らの活動のフィールドは、TV番組にもよくある、個人やチームで優劣を競う「競技クイズ」。一瞬の戦いが熱気をもって描かれ、単に正解を求めるだけじゃない競技クイズの奥深さを教えてくれる作品です。

主人公は、高校1年生の越山識(こしやま しき)。新入生歓迎会でクイズ研究会による早押しクイズ大会に強制参加させられた彼は、一緒に参加した同じクラスの深見真理の強い薦めもあって、クイズ研究会に正式に入部します。

真理は、進学校のクイズ研究会に所属していた兄の影響で、中学時代からクイズが大好きだった少女。彼女とのやり取りによって、識が早押しクイズのコツを会得していくシーンが最初の見どころです。誰かがボタンを押せば、その段階で問題を読むのが止まる早押しクイズ。つまり問題の先を読んで、いち早くボタンを押すのが肝心。真理は

「「早押し」の問いには答えを確定できる“ポイント”があるの」

と言います。識はそれを聞いてコツを掴み、難問に見事、正解したのでした。

子供の頃から読書好きで、一度読んだ本の内容は決して忘れないという識は、知識豊富な少年。そんな彼が、真理や部長の笹島から「競技クイズ」のノウハウをたたき込まれ、どんどん成長していく姿は、読み応えあり。識をはじめ実力者達が、解答権を得た後の数秒の時間に、問題の先を推理していく時の論理展開も実に鮮やかです。

また、各巻の巻末には50問のクイズが掲載されているので、それにもチャレンジしてみてください。

『ナナマル サンバツ』を試し読みする

『MIX』

『MIX』

『MIX』 1〜13巻 あだち充 / 小学館

名作『タッチ』の明青学園を舞台にした、現在進行形の野球漫画

ヒット作を多く世に送り出したあだち充先生。中でも、1980年代に発表された『タッチ』は不朽の名作として知られています。本作は『タッチ』の舞台となった明青学園の、現在の姿を描いた作品です。

『タッチ』のように、同じ日に生まれた二人の野球少年が本作には登場します。しかし双子ではなく、再婚した両親それぞれの連れ子という設定。同じ家に住む彼らが、明青学園中等部の野球部に所属しているところから、物語は始まります。

兄の立花走一郎はキャッチャー、弟の立花投馬はサード。ともにレギュラーで実力のある選手です。投馬の本来のポジションはピッチャー。しかし、野球部に多額の寄付をする会社社長の息子がエースナンバーを付け、彼よりも実力で勝る投馬は、ピッチャーすらやらせてもらえなかったのでした。

その事実からも分かる通り、明青学園の野球部は高等部、中等部ともに低迷。『タッチ』の上杉達也の世代が甲子園で優勝した栄光は完全に過去になっていました。そんな劣悪な環境の中、投馬と走一郎の立花兄弟は腐らずに努力を続けていきます。

感情を強く表に出さない立花兄弟を主人公に、淡々と物語が進みつつ、野球にかける情熱がどのコマの奥にも潜んでいるというのが、あだち先生の野球漫画。本作もまさにそれで、投馬がピッチングし、走一郎がボールをバシッと受けるだけのシーンが、本当にかっこいい。そして、2人のヒロインが登場。女の子のかわいらしさも天下一品です。

物語の本格始動は、立花兄弟が高等部に進学してから。なんの遠慮もなく実力を発揮できる環境を得た2人の前に、ライバルキャラも続々登場。あだち先生らしい独特の空気感の中で描かれる野球と恋のドラマを、存分に楽しんでください。

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『クロス・マネジ』

『クロス・マネジ』

『クロス・マネジ』 全5巻 KAITO / 集英社

男子が、女子の部活のマネージャーになる

『青のフラッグ』のKAITO先生が、女子ラクロス部を舞台に描く青春漫画。男子マネージャーが主人公という、珍しいタイプの作品です。

ずっと打ち込んできたサッカーを怪我で断念しなくてはならなくなった櫻井玄哲(さくらい つねのり)。文化部にはハマりきれなかった彼が、女子ラクロス部の1年生部長・豊口深空と出会うところから物語は始まります。

部長でありながらラクロスが下手な深空は、部活後に河原で自主練するのが日課でした。雨の日も風の日もそれを続ける姿を見ていた櫻井は、ひょんなことから、彼女にアドバイスします。スポーツ経験者のアドバイスは的確で、それに感動した深空は、マネージャーになってほしいと熱心に勧誘を始めるのでした。

一度は諦めたスポーツの世界に再び関わることへの拒絶感、そして女子の部活のマネージャーを男子がやるという気恥ずかしさに、最初は断っていた櫻井。しかし、彼は実のところ、最初から深空に心を動かされていたのでした。

「強くしたい奴がいる」

そんな自分の本心に気づいた櫻井は、有能なマネージャーになっていきます。

スポーツ漫画としての本作の魅力は、櫻井によってそれぞれの個性を見いだされた部員達が、努力を重ねて試合を勝ち抜いていくドラマにあります。強力なライバルも登場し、熱い試合が展開。サッカーの知識を応用した櫻井の的確なコーチングにもわくわくさせられますし、ラクロスのルールも分かりやすく解説してくれます。

また、櫻井と深空の関係性もドラマの柱。どちらも恋には奥手で、友情で止まっているところに、櫻井に恋するサッカー部の美人マネージャーが割り込むことに。さらに、櫻井の優しさと有能さにラクロス部員達がときめく場面も多く、ハーレム漫画的な側面も持つ作品です。

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『1/11 じゅういちぶんのいち』

『1/11 じゅういちぶんのいち』

完結『1/11 じゅういちぶんのいち』 全9巻 中村尚儁 / 集英社

人々に希望を与え続けたサッカー少年の物語

11人のプレイヤーがパスを繋いで、ゴールを目指すのがサッカー。しかし、安藤ソラは独りよがりのドリブルを続けてきた少年でした。そんな彼の心を変えたのが、中学生ながら女子日本代表に選ばれた天才少女・若宮四季との出会い。

「サッカーは一人でやるものじゃない」

という四季の言葉に感化され、一度はサッカーを断念したソラは、通っていた進学校にサッカー部を創設するのです。

「世界で一番のチームの1/11になりたい」

というのが、ソラの打ち立てた夢。高校から日本のプロチームへ、そして海外へ。彼は夢に向かって確実に進んでいきます。

本作の特徴は、ソラを取り巻く人々が各編の主人公になっていること。物語全体の主人公はソラですが、サッカー部のマネージャーやチームメイト、ソラにサッカーを習った小学生や、プロになったソラのファンの女の子、アメリカに渡ったソラを取材するサッカージャーナリストなどなど、彼と関ったことで人生の転機が訪れた人々が、自らの胸の内を語っていきます。

才能への嫉妬があったり、挫折と再起があったり、大切な人への想いがあったり、勝利への感動があったり、物語は多彩。それぞれの真摯な思いに、涙がこぼれます。『1/11 じゅういちぶんのいち』というタイトルは、サッカーチームの人数に由来しますが、そこから広がって、登場人物の全てが、ソラのチームメイトとなって人生というゲームを戦っていくという意味が込められているように思うのです。

そしてソラの心の中には常に、自分を変えてくれた四季の存在が。二人の姿が描かれるラストシーンはとても幸せで、美しいものになっています。

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『男水!』

『男水!』

『男水!』 1〜7巻 木内たつや / 白泉社

個性派メンバーが揃った男子水泳部の活躍

部員がたった5人の男子水泳部の活躍を描いた青春漫画。部員が少ない分、それぞれのキャラクターが際立っていて、キャラクター同士の掛け合いが面白い作品です。

榊秀平、篠塚大樹、小金井晴美(こがねい はるよし)は男子水泳部に所属する高校2年生。部員はこの3人だけで、最低でもあと2人増やさないと同好会へと格下げになってしまうという危機の中、彼らは新入生勧誘会に臨むのでした。舞台に上がっての部活紹介で、大樹はなんとシャツを脱いで上半身裸に。「この位には腹割れるんで、男子の皆さんリア充目指して頑張りましょ…」とアピールします。

それが功を奏したのかどうか、新1年生の滝結太が入部。また、スポーツ万能なお調子者・原田ダニエルも仮入部から正式な部員になり、5人での部活が始まっていきます。

常識人の部長・秀平、選手としては優秀ですが性格は天然の大樹、オネエキャラで他の4人のコーチ役を務める晴美、かわいい年下タイプの結太、運動神経抜群ですがカナヅチの原田と、メンバーは個性豊か。基本的に賑やかで楽しく、肩肘張らずに読める作品です。

もちろん、大会になれば、他校のライバルとしのぎを削る展開も。巻が進むと彼らの前にインターハイ経験者の大学生・川崎亮也が現れ、鬼コーチに。メインキャラも他校の選手もイケメン揃いで、それぞれの水泳にかける思いがかっこよく描かれていきます。2017年に松田凌さんの主演でドラマ化。また舞台化もされました。

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『チア男子!!』

『チア男子!!』

大学に実在する男子チア部をモデルにした作品

完結『チア男子!!』 全4巻 まつもとあやか・朝井リョウ / 集英社

直木賞作家・朝井リョウ先生の小説をコミカライズ。とある大学に生まれた男子チアリーディングチームの活躍を描いた作品です。モデルになっているのは、朝井先生の出身校・早稲田大学の男子チアリーディングチーム「SHOCKERS」。事実がもとになっているだけあって、一見突飛な設定に思える「男子チア」がリアリティをもって描かれています。

柔道の道を怪我で断念した板東晴希(ハル)に、

「ハルは俺と新しい事をはじめんだよ」

と宣言した、幼なじみの橋本一馬(カズ)。同じ大学の1年生である2人の挑戦がそこから始まります。

カズが創設したのは、おそらく世界初である、男子だけのチアリーディング部。彼がそれを思いついたのは、母親にチアの経験があったのと同時に、ハルが同じく柔道をしていた姉の晴子の応援に声を張り上げる姿をみていたからでした。全国優勝するほどの実力者の晴子を最も元気づけていたのは、ハルの声援だったのです。

【誰かを応援する事が主役になる】【誰かの背中を押す事が自分の力になる】「そんなスポーツがあったとしたらどう思う?」

というカズの言葉に、心がときめくハル。2人のもとに個性的な面々が集まり、男子チア部「BREAKERS」が誕生します。

全体的にコミカルに描かれていますが、練習シーンは真剣そのもの。華やかに見えるチアリーディングが、どれほど難易度が高く、研鑽を積まなくてはならないスポーツかが分かります。やがてBREAKERSは、女子や男女混合チームの競合が集まる全国大会へ。大学生になっても、仲間とみんなで熱くなれることを教えてくれる作品です。

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『少年ノート』

『少年ノート』

完結『少年ノート』 全8巻 鎌谷悠希 / 講談社

ボーイソプラノを歌う少年の美しく儚い物語

中学校の合唱部を舞台にした、爽やかな感動作です。主人公は、天使の歌声“ボーイソプラノ”を持つ少年・蒼井由多香(あおい ゆたか)。幼い頃から音に敏感で、普通に街中で鳴っているあらゆる音に、心が刺激されてしまう少年でした。

引っ越してきた街で新中学1年生となり、合唱部に入部した由多香は、女子部員に混ざってソプラノパートを担当することに。美しい歌声で、部の先輩たちを魅了します。顧問の教師は怠慢で、部長の別役秋年(べつやく あきとし)を中心に、生徒だけで練習を重ねてきた合唱部。由多香の加入によって、合唱コンクールで金賞を獲るという部長の夢が現実味を帯び、部員は連帯感を強めていくのでした。

音に対して鋭い感受性を持っている少年が主人公ということもあり、みんなの歌声が美しいハーモニーをもたらす場面の描写は、実に感性豊か。音楽室が木漏れ日に満ちた森になり、星々が輝く銀河になります。合唱部の練習風景や、コンクールの描写もリアルで、経験者は共感できるポイントがたくさんあるのではないでしょうか?

穏やかに進む物語に波紋をもたらすのが、ロシア人の少年・ウラジミール・ポポフ。世界的なボーイソプラノの歌い手である彼が由多香に興味を持つことで、作品世界に広がりがもたらされます。声変わりすれば失われてしまうボーイソプラノの美しさと儚さを、たっぷりと味わえる作品です。

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終わりに

恋愛系も部活系も、十代の限られた時間を懸命に生きる男の子や女の子の姿が清々しい青春漫画。リアルタイムで青春を体験している人はもちろん、どんな年齢になっても楽しめる身近なジャンルだと思います。登場人物達のドキドキやワクワクを真正面から受け止めて、一緒に青春を謳歌してみてはいかがでしょう。

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