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誘い受け・襲い受けBL漫画9選!積極的な受けに翻弄される!

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「誘い受け」「襲い受け」というと、ビッチな受けキャラが攻めを誘うエロ度高めのジャンルと思われがちですが、それは大きな勘違い! なぜなら一口に「誘う」と言っても、そこにはいろいろな理由や事情があるからです。実際はギャグあり、純愛あり、シリアスあり……とありとあらゆる萌えを包括した、広く深い「誘い受け」「襲い受け」の世界(沼ともいう)が広がっているのです。

今回は、それぞれ違った萌えが堪能できる、書店員おすすめの誘い受け・襲い受けBL漫画9作品をご紹介します!

ノンケビッチがあの手この手で幼馴染のイケメンゲイを誘う!『あのこはソレを我慢できない』

あのこはソレを我慢できない

完結『あのこはソレを我慢できない』 全1巻 日塔てい / フロンティアワークス

【エロ度】★★★★★

大学入学をきっかけにルームシェアを始めた、ヤリチンノンケの惇也とイケメンゲイの秋啓(アキ)。何事もなく2年が過ぎたある日、アキと知らない男のベッドシーンを惇也が目撃してしまいます。2人の間に気まずい空気が流れるかと思いきや、惇也はアキの夜の営みに強い興味を示して……。

「ノンケだけど性に対する好奇心が旺盛すぎて、ゲイの幼馴染に迫りまくる」という斬新な設定が話題を呼んだ本作。ジャージをめくり上げて腹チラを見せる、お風呂に無理やり乱入するなど、行動力に満ち溢れた惇也の誘いっぷりに「あれ? 誘い受けってこういうことだっけ?」と首を傾げつつも、グイグイと物語に引き込まれていきます。

「ケツ使うんだぞ」というアキの警告にも、

「ケツ位なんだよ フーゾクにだってコースあんだぜ?」

とあっけらかんとした態度の惇也。俗にいう「ビッチキャラ」とはまた違う、性に対する無邪気な好奇心がおバカかわいい! と同時に、一周回って男らしく見えてこなくもありません。

無邪気な惇也に対し、アキは考え込みやすいシリアスな性格。アキが真剣に悩むほど、惇也がゆる〜くアキの悩みを笑い飛ばすのが、バランス良すぎてたまらなく愛おしい!

本編を堪能した後は、巻末に収録されている後日談もマストチェック!萌えること間違いなしですよ!

『あのこはソレを我慢できない』を試し読みする

イケメンバーテンダーの上質なセクシーと幾重ものギャップに萌える!『between the sheets』

between the sheets~ビトウィーン・ザ・シーツ~【電子限定おまけ付き】

完結『between the sheets』 全1巻 橋本あおい / 新書館

【エロ度】★★★★☆

バー「fragile」の若く美しいバーテンダー・青葉高史。彼は客からの誘いは絶対に受けない、難攻不落の人として知られていました。しかし、若き外資系企業の社長・一瀬に、予約が取れない高級レストランでの食事に誘われて……。

バーカウンターの中の高史は「難攻不落」という表現がぴったりな隙のなさを身にまとっています。しかし、一瀬と2人きりの食事の際には、

「上等な食事と上等なワイン。——これに上等なセックスがあったらパーフェクトですね」

と誘いをかけるのです。美しさと自信に溢れた受けだからこそできる、上品で蠱惑的な誘い……。そしてベッドの中では一瀬に愛らしく甘え、またも新しい表情を見せるなどと、もはやチートとも言える魔性を遺憾なく発揮します。

さらには、一夜をともにした数週間後に一瀬がバーを訪れたときには、完璧な「マスター」の表情に戻ったかと思えば、改めて口説きにかかった一瀬に「恋人になりたかったら本気で俺を口説け!」と胸ぐらを掴むなど、惜しげもなくツンデレなギャップを披露してくれる高史は、全腐女子が涙するほどのかわいさです。本当にありがとうございます、橋本先生……。

バーテンダーと外資系ホテル社長という大人の恋愛ならではの、ラグジュアリーなセクシーさも楽しめる本作。 次作『BlueMoon,Blue ~between the sheets~』では、思い切りイチャラブしたかと思えば愛ゆえに嫉妬し合ったりと、さらにあま〜い雰囲気の2人に出会えます。2冊セットで、ぜひセクシーな美酒に酔いしれてくださいね。

『between the sheets』を試し読みする

決して言葉に出してはいけない、禁断の誘い『薫りの継承』

薫りの継承 上

完結『薫りの継承』 全2巻 中村明日美子 / ビーボーイ編集部

【エロ度】★★★☆☆

『ダブルミンツ』が2017年夏に実写映画化を控えている、人気作家・中村明日美子先生が禁断の義兄弟愛を描いた美しき物語。名家の長男として生まれた兄・比良木忍と、後妻の息子としてやってきた弟・竹蔵。幼少時から竹蔵を見下してきた忍に対し、竹蔵はずっとある欲望を秘めていました。そしてある夜、その欲望が解き放たれ……。

本作の魅力は何と言っても、シリアスでダーク、そしてむせ返るような耽美さに満ちた空気感。それは受けの誘い方にも表れています。普段は竹蔵に対して冷たい態度をとる忍が竹蔵を誘うサインは、自ら”目隠し”をすること。口に出すことすら許されない2人の関係を象徴するかのような淫靡な誘い方に、思わずため息がこぼれます。2人はいつ、どのように惹かれ合うようになったのか、作品内で多く語られることはありません。しかし、それだからこそ、言外に隠された2人の思いを探ろうとして、2度3度とページをめくり、深い魅力に囚われてしまうのでしょう。

『同級生』シリーズでは男子高校生のピュアな恋愛模様を繊細に描き出した中村先生ですが、本作のような耽美でエロティックな世界観の作品群も。前述の『ダブルミンツ』(従順なワンコ✕美しく暴力的な鬼畜)や70年代パリのサーカスを舞台にした『コペルニクスの呼吸』(美しい素顔を隠したピエロの総受け)、性同一性障害を持つ美少年の絶望と愛に彩られた半生記『Jの総て』(真面目な優等生✕M・モンローになりたかった美少年)などはマストチェックです!

『薫りの継承』を試し読みする

ムカツク上司の裏の顔はビッチでエロい!? ビッチ受けの胸の内が切ない『俺と上司のかくしごと』

俺と上司のかくしごと

完結『俺と上司のかくしごと』 全1巻 嘉島ちあき / 海王社

【エロ度】★★★☆☆

隠れアイドルオタクの御門は、上司の姉崎に雑務を押しつけられたり、サービス残業をさせられたりと、いいように使われていました。ある晩、飲み会で泥酔した姉崎の送迎を押しつけられた御門は、起きない姉崎と突然の豪雨に阻まれ終電を逃してしまいます。仕方なく姉崎を連れてラブホに泊まることにしましたが、夢から醒めた御門を待ち受けていたのは、自分にエロいことをしている姉崎でした。

「――あ 起きた?フフ…アンタの…でっかいね」

「これぞビッチな襲い受け!」と、お手本のような襲い受けが堪能できるのがこの作品。相手が部下だと気づかないまま、エッチなことを強要させたり、やってるところを動画で撮らせたりと、姉崎が大胆で自由奔放でとにかくエロい! ムカツク上司の弱みを握ることになった御門ですが、ひょんなことから自分の弱み(ドルオタ)も握られ……。その日を境に、近づく2人の距離と、お互いの気持ちの変化にキュンキュンしてしまいます! しかし、ある日、姉崎の元彼が現れ、姉崎の切ない過去が明らかになり……。御門に芽生える気持ちも、自由奔放に見える姉崎の臆病な胸の内も、2人の視点から楽しめる作品です。

巻末には描き下ろしで、本編のその後の話と姉崎が御門の入社面談をした時のストーリーが。前半のコメディ展開から後半の感動、そして巻末のアナザーストーリーまでまるごと味わえる1冊です。

『俺と上司のかくしごと』を試し読みする

不器用な誘い受けの魅力が言語の壁も文化をも超える!『マザーズ スピリット』

マザーズ スピリット【SS付き電子限定版】

完結『マザーズ スピリット』 全1巻 エンゾウ / 徳間書店Chara

【エロ度】★★★☆☆

今まで文明に触れたことがない未開の地で暮らす部族、ルター族の若者・カルカタの世話をすることになった大学職員・筒月稜一郎。言葉も通じない2人が出会い、文化の壁を越えて絆を深めていく様子を描いたコメディ作品です。

本作のみどころは、留学生・カルカタのパーフェクトすぎるかっこよさと、天然タラシなカルカタに振り回されながらも彼にほだされていってしまう稜一郎のかわいさ。2人共もともとはノンケなのですが、カルカタは部族の将来のための勉強に、稜一郎はそんなカルカタのサポートに、それぞれに真剣に向き合ううちに信頼関係と愛情が育まれていく様は、まさに「純愛」そのもの。想いが溢れた稜一郎がカルカタを誘うシーンは、不器用な愛情に甘く胸が高鳴ります。留学生と大学職員という、期間限定の関係性がどう変化していくのか、最後までハラハラきゅんきゅんしっぱなしです!

番外編は、カルカタに“夜のリクエスト”をする稜一郎のお話。顔を真っ赤にしながら希望を伝える稜一郎も、「どこさわるするがいい? たくさん教えるして」と、片言で応えるカルカタも2人まとめてかわいすぎ!! 「誘い受け」のイメージがガラッと変わる一冊です。

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イケメン大学生が童貞高校生を誘ってみたら……?『それに名前をつけるなら』

それに名前をつけるなら

完結『それに名前をつけるなら』 全1巻 鮎川ハル / 東京漫画社

【エロ度】★★★☆☆

高校生の佐野は「モテたいし彼女も欲しい」お年頃。友人の岡崎と一緒に訪れた大学の学園祭でイケメン大学生・藤田に出会い、彼を「師匠」と崇めるように。しかしある日、野球の練習の帰り道に再会した藤田は「恋人に振られた」と涙を流していて……。

受けである藤田は「王子」とあだ名されるイケメン。対する佐野は「さのちんはおもしろいのにね」と、友人から残念扱いされている童貞です。読み始めは年上のイケメンに翻弄される童貞高校生という、ありがちなストーリーかと思われますが、読み進めるうちに藤田の不器用さや脆さが見え隠れするように。 すると、物語の見え方が一気に変わり、「さらっと佐野を誘っているように見えたあのシーンも実は……!?」「あのセリフの裏にはあんな意図が…!?」と、もう妄想が止まらなくなってしまいます! これは絶対に2回以上読んでください!

2人が出会うきっかけを作った、岡崎と中津も実はカップル。2人の物語は『あいもかわらず』で読むことができます。ゆっくりとやさしい時間が流れる鮎川ハル先生の作品の空気感に、萌え癒されること間違いありません。

『それに名前をつけるなら』を試し読みする

これぞ青春! もどかしい駆け引きと不器用な誘いに悶える!『えんどうくんの観察日記』

えんどうくんの観察日記

完結『えんどうくんの観察日記』 全3巻 ハヤカワノジコ / 大洋図書

【エロ度】★☆☆☆☆

繊細で詩的なムード漂う本作の主人公は、他人にあまり興味がない高校生・津田と、無口で無表情な同級生・遠藤。前の席の遠藤の泣きぼくろに気付いたことから、津田は遠藤に興味を持ち始め、誰に対しても無表情だった遠藤にも少しずつ変化が……。

最初は目の下のほくろ、次に暑そうなもさもさの髪、そして細い首筋、額の生え際のほくろ、と遠藤のことを1つ知るたびに、彼のことが気になっていく津田。遠藤も津田にだけ様々な表情を見せるなど、お互いを意識しているのは明らかなのに、なかなか縮まらない距離感がじれったくも瑞々しい! そして、本作最大の誘い受けポイントは、その距離を一気に飛び越そうとするかのような、唐突で不器用だけど熱っぽい遠藤からのキス。青春の甘酸っぱさの全てを詰め込んだようなキラキラ感がたまりません!

独特のナイーブな空気感がページの隅々まで漂うハヤカワニジコ先生の作品は、作者買いする人も多いそう。本作が気に入ったら『夜空のすみっこで、』(ツンデレ黒髪先輩✕ヘタレな後輩+先輩の息子)や『くらやみにストロボ』(天然ワンコ系バスケ部員✕執着系写真部員)もチェックしてみてください!

『えんどうくんの観察日記』を試し読みする

元ゲイAV男優が見つけた、きらめくような純愛の行方は……?『はきだめと鶴』

はきだめと鶴【電子限定特典付き】

完結『はきだめと鶴』 全1巻 キタハラリイ / 竹書房

【エロ度】★★★★☆

その名の通り、どこにいても光を発しているような美貌の男性・澄川螢(けい)。映画館でアルバイトとして働く彼を「ほたるさん」と呼んで慕う常連客・岡崎準太から「俺が今までの人生で見てきた中で、一番綺麗な人だ」と告白されますが、彼には元ゲイAV男優という、「綺麗」からは程遠い経歴があったのです。

「綺麗」という褒め言葉に対し、「自分のことを何も知らないくせに」と反感を覚えた螢が岡崎をホテルに誘ったことから、2人の関係は始まります。早く岡崎を幻滅させるために「何でもしていいし何でもしてあげる」と慣れた素振りで誘いますが、「やっぱりすごく綺麗だ」という言葉に、たやすくも動揺してしまう螢。ビッチな面とピュアな面のギャップにハートを撃ち抜かれます。35歳なのにこのかわいさは反則でしょう……。

すっかり不幸慣れしていた螢が、岡崎の愛情を受けて過去の呪縛から解き放たれていく過程はBLというジャンルを越えて、わたしたちの心を揺さぶります。シリアスストーリーや健気な薄幸美人が好きな人にはたまらない作品です!

『はきだめと鶴』を試し読みする

「ビッチでクズで生活力ゼロ」史上最低な誘い受けなのに最後はキュンとさせられる『やたもも』

やたもも

『やたもも』 1~3巻 はらだ / 竹書房

【エロ度】★★★★☆

クズやゲスが大活躍するエロコメの名手・はらだ先生の2作目。受けは、とにかく顔がかわいいことだけが取り柄の24才無職のモモ。愛人の家を飛び出して放浪していたときに出会った、オカン系男子・八田に「ちょーっとお金くれれば、ヌいてあげるけどどう?」と最低な誘いをかけたことから、2人の関係が始まります。

定番のビッチ系誘い受け作品のようですが、そこはクズを描かせたら当代一のはらだ先生の作品。ビッチで生活力ゼロのモモ、お人好しだけど絶倫で噛み癖のある八田、モモの元飼い主で変態ドSの須田、どのキャラクターも不思議な魅力に満ちていて、その台詞や行動のひとつひとつに心が揺さぶられます。中でも、八田に「おまえが、愛おしい」と言われた後に、モモが八田への気持ちを改めて噛みしめるシーンは秀逸!本当に人を好きになった瞬間の高揚感と多幸感、そして一抹の照れが描き出されていて、何度読んでも胸がキュンとしめつけられて、顔がにやけてしまいます。

ギャグとシリアスが混じり合っている『やたもも』。シリアスパートが響いた人には『ネガ』『やじるし』、ギャグパートが響いた人には『好きなひとほど』『ポジ』などがそれぞれおすすめです!

『やたもも』を試し読みする

最後に

受けの数だけ誘う理由がある……といっても過言ではない、バラエティ豊かな誘い受け・襲い受けBL。攻めに対して積極的に愛情表現をする誘い受けは、かわいさと男気を兼ね備えた、萌えの最終兵器!「誘い受けってビッチものでしょ?」と食わず嫌いをせずに、誘い受け・襲い受けの世界(沼)に一歩踏み出してみてください。

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