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読めば熱くなる!今読んでほしいおすすめラグビー漫画5選!

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今年、リオ五輪での男子セブンズの健闘も記憶に新しいラグビー。2015年にW杯イングランド大会で日本代表が歴史的な勝利を飾り、五郎丸ポーズが人気になるなど、注目を集め続けているスポーツです。

ラグビーは、球技と格闘技双方の要素を持ち、メンタルのコンディションやチームワークの絆から熱い人間ドラマが生まれるスポーツでもあります。今回はそんなラグビーの魅力を漫画で楽しめる5作品をご紹介します。

新時代のラグビー漫画!クセのある少年たちがぶつかり合う青春群像劇『ALL OUT!!』

ALL OUT!!

『ALL OUT!!』 1~11巻 雨瀬シオリ / 講談社

2016年10月にテレビアニメ化を果たした本作。ラグビー漫画のテレビアニメ化は初ということもあり、いま一番注目のラグビー漫画として話題を集めています。

祗園健次は、背が低いことにコンプレックスを持つ勝ち気な少年。神高(ジンコー)入学後、大柄なラグビー経験者の石清水澄明と知り合い、ラグビー部に入ります。しかし当の石清水は、体格と経験を期待されながらもラグビーに対して何故か消極的で……。やる気も資質もあるけどどこか空回りしていた神高ラグビー部でしたが、謎のコーチ・籠(こもり)の出現によって、次第に磨き上げられ、覚醒していきます。

ラグビーをするには小柄すぎるのでは、とためらっている祗園に石清水が言った

「大きい人 小さい人 太ってる人 細い人 全員がぶつかってる
あそこにはエースストライカーも 4番バッターもいない
ボールを持ってる奴が 主役なんだ」

という言葉は、ラグビーの本質を端的に表しています。誰もが主役になれるスポーツ、それがラグビーなのです。初心者の祗園は、資質はあるけれどいわゆる「天才」ではないタイプ。体づくりから始めてベンチ要員となり、試合に短時間でも出してもらっては大喜びする様子は、親近感の湧くキャラとして非常に魅力的! 部員もライバル校のメンバーも皆とがっていますが、愚直に、がむしゃらに「勝つ」という目標に向かう彼らの姿は、ストレートに胸に響きます。

そして本作の見どころは、やはり熱い試合シーン! 鍛え上げられた筋肉が躍動し、選手たちの体と体がぶつかり合う激しさが、画面を通してビリビリと伝わってきます。一方で頭脳戦・心理戦の様子も丁寧に描かれており、ラグビー初心者でも試合の流れを理解しやすいです。

作者の雨瀬シオリ先生は綿密な取材に基づいて本作を描いているそう。その熱量と臨場感に、心が揺さぶられますよ。

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爽やかで正統派な高校スポーツ漫画!『アップセット15』

アップセット15

完結『アップセット15』 全5巻 奥英樹 / 小学館

みんなで同じ高校に入って強豪校・曽根工業を破ろう――そう誓い合った、ラグビークラブに所属する小学生8人組。4年後、その内の7人はそろって東ノ宮高校のラグビー部員になっていましたが、対曽根工業戦で315-0という大敗を喫し、打ちひしがれていました。そこへ残る1人である十津川誠が、ラグビーの強国・ニュージーランドから帰国。誠はみんなを説得し、東ノ宮高校ラグビー部は再び打倒・曽根工業を誓うのです。

全5巻中、2巻強を使って曽根工業との再戦を描く、ラグビーのゲーム性を堪能できる漫画です。作品タイトルの「アップセット」とは、「ジャイアントキリング」と同様「番狂わせ」という意味。その名の通り、弱小チームが強豪に立ち向かい、花園を目指します。特に終盤は、ラグビーならではの得点の仕組みを活かしたスリリングな展開となっており、2015年W杯の日本対南ア戦を彷彿とさせる面白さです。

本作は明るく爽やかな作風で、時にもめたり感情をぶつけ合ったりしつつも、主人公の誠がチームメンバーをまとめ上げながら、努力を重ねて強くなっていきます。ほんのりとラブコメ要素もあり、まさに王道な青春スポーツ漫画と言えるでしょう。

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ラグビーに賭ける女子高生たちの青春ドラマ!『TOKYO Girl’s 7s』

TOKYO Girl’s 7s

『TOKYO Girl’s 7s』 1巻~ 吉野たるぼ / 一迅社

リオ五輪から正式種目に採用されたセブンズ(7人制ラグビー)を描いている本作。珍しく女子ラグビーを扱っており、かつセブンズの特徴と魅力にフォーカスしているという意味で、ラグビー漫画の中でも異色な作品です。

鳴子由夢(なるこ ゆめ)と嬬恋静(つまごい しずか)は、小学校からジュニアチームに所属している筋金入りのラグビー女子。恩師を高校ラグビーの聖地・花園に連れていくという夢を叶えるため、湯坂高校女子ラグビー部に入ります。しかし、経験の長い二人にとっても高校ラグビーの壁は厚く……。

可愛い女の子たちが出てきてお色気要素もある萌え系の作風ながら、ラグビーに関してはかなりの本格派。一般的なラグビーのルールに加え、女子ラグビーならではの点やセブンズについても解説されていて、リオ五輪から興味を持った方にもおすすめ。現在、主要キャラが出そろったところで、2巻以降の展開が期待大な作品です。

『TOKYO Girl’s 7s』を試し読みする

ハチャメチャ主人公がフィールドの内外を暴れ回る!『ゲイン』

ゲイン

完結『ゲイン』 全7巻 なかいま強 / 小学館

夏井球生(なつい たまき)はちょっとワガママな問題児。高校に入ったものの部活が決まらず、騒動の末にラグビー部に入ります。が、他の部ではトラブルのタネとなっていた球生の闘争心や体力が、ラグビー部で活躍の場を得て花開き……!?

ラグビーのルールも知らない初心者である球生が、底抜けのバイタリティと素質で部の主要メンバーへとのしあがっていく、痛快なスポ根漫画です。強面OBや強力なライバルなど、次々に現れる敵役とのラグビー対決が見どころ。最初は「ラグビーなんて」とバカにしていた球生が次第にのめりこんで成長していく様子から、ラグビーの楽しさが伝わってきます。

作者は、高校相撲の『うっちゃれ五所瓦』、プロゴルフの『黄金のラフ』、女子ボクシングの『ライスショルダー』など、スポーツ漫画を数多く手がけるなかいま強先生。コメディとスポ根の見事な融合は、一度ハマると病みつきになりますよ。

『ゲイン』を試し読みする

ラグビーの精神が人の心を熱く揺さぶる『プロジェクトX 挑戦者たち ツッパリ生徒と泣き虫先生<伏見工業ラグビー部>日本一への挑戦』

プロジェクトX 挑戦者たち ツッパリ生徒と泣き虫先生<伏見工業ラグビー部>日本一への挑戦

完結『プロジェクトX 挑戦者たち ツッパリ生徒と泣き虫先生<伏見工業ラグビー部>日本一への挑戦』 全1巻 NHKプロジェクトX制作班・六田登 / 宙出版

今回取りあげたラグビー漫画5作品中、唯一のノンフィクションです。かつてNHKで放送されていた人気のドキュメンタリー番組「プロジェクトX~挑戦者たち~」のコミカライズであり、作画は『ダッシュ勝平』『F―エフ―』の六田登先生。1巻完結ながら、とてもドラマティックで読みごたえのある作品です。

舞台は1970年代の京都。元ラグビー日本代表である山口良治は教師として伏見工業高校に赴任しますが、学校の荒廃ぶりに唖然とします。山口はワルの温床だったラグビー部を建て直し、京都一へと導くことで、生徒たちに母校の誇りを取り戻させようと決意し、熱血指導を始めました。しかし、反発した生徒たちは練習をボイコット……。非行少年たちが更生し、京都一、そして日本一となっていく過程が描かれた、感動のノンフィクションです。

本作の何よりの魅力は、山口先生が真摯に生徒達に説き続ける、ラグビーの精神性。バイクをヘルメット無しで乗り回してケガをした部員に対し、山口はそのケガが彼一人でなく部全体に影響するものであることを諭します。それはまさにラグビーの精神である「ONE FOR ALL, ALL FOR ONE」(一人はみんなのために、みんなは一人のために)そのもの。一度は112対0という記録的な大敗を喫し、どん底で悔しさを学んだ生徒達が、山口先生と心を一つにし、共に戦う過程には胸が熱くなります。

『プロジェクトX 挑戦者たち ツッパリ生徒と泣き虫先生<伏見工業ラグビー部>日本一への挑戦』を試し読みする

最後に

鍛え上げた体がぶつかり合う「荒々しさ」と、“紳士のスポーツ”であるという「品格」の両面を持つラグビー。ルールや配点に複雑なところがありますが、それがまたラグビー特有の面白さを生み出し、魅力を高めています。ラグビー漫画の世界で、その熱気と奥の深さに触れてみませんか?

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