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小林薫になりきって探してみた! 東京のリアル“深夜食堂”

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「1日が終わり、人々が家路へと急ぐころ、俺の1日が始まる。営業時間は夜12時から朝7時ごろまで。人は『深夜食堂』って言っているよ。客が来るかって? それが、結構、来るんだよ」

小林薫のこんなナレーションで始まるTVドラマ『深夜食堂』が人気なんだよ。TVシリーズは第3弾まで放送され、2015年1月31日には映画公開されたらしいんだ。おっと、なんだか小林薫に口調が似てきたな(苦笑)。

原作は安部夜郎の同名コミックだ。2010年には第55回小学館漫画賞一般向け部門を受賞したっていうんだから、原作の評価も高いよな。『深夜食堂』に集うなじみの客、新参者の客の悲喜こもごもを描いてるんだが、妙に小ざっぱりしているのがいいね。なんかこう、ベタベタしてないんだよ。そんなお涙頂戴に走らない作風が人気の理由だろうな。

深夜食堂(1)

『深夜食堂』 1~15巻 安倍夜郎 / 小学館

いや、でもね、正直なところ、このマンガの主人公は、店主も含めた“店の雰囲気”なんだよ。こぢんまりとしたコの字型のカウンターに座って、肩を寄せ合いながら酒を飲む。なんかいいだろ? あったかくて。食べたい物を注文すれば、店主ができる限り作ってくれるんだよ、「はい、お待ち」ってな具合さ。人の温もりがあるんだよな。

そんな昭和みたいな店、東京中探したってどこにもないって? 馬鹿言っちゃあいけないよ。あるんだよ、これが。

例えば、京王線の代田橋駅にある「しゃけ小島」。

駅を降りたら甲州街道を渡って、「めんそーれ大都市場」に向かってごらん。木枠にガラスの懐かしい扉が見えたら、そこが「しゃけ小島」さ。

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扉を開けると一気に落ち着くんだよな、この店は。椅子もテーブルも木目調、調度品もレトロでさ。ランプの灯りがなんだかあったかくてな。L字型のカウンターもいいだろ? 1日が終わり、人々が家路へ着くころ、お客同士が和気あいあいと、このカウンターで飲み食いするんだ。

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こちらは店主の小林さん。え、少し若すぎるんじゃないかって? 人を見かけで判断するなんてまだまだ半人前だな。少し話を聞いてみようか。

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まずは営業時間だな。深夜0時30分まで定食が食べられるってのは珍しいよな。

小林さん「最初はランチもやっていたんですよ。でも、朝起きるのが苦手で……。夕方からの営業に変えました」

そうそう、この肩ひじ張らない感じがいいんだよ。なじみの客に相談話を持ちかけられることもあるらしいけど、分かる気がするよ。妙に気を遣わない、媚びない、ベタベタしない距離感が心地いいんだよな。

小林さん「お客さんは30〜40代が中心で、男性と女性の割合は半々くらいですね。仕事帰りにふらっと一人でいらっしゃる方も多いですよ。本当はもう少しお客さんに話しかけたいんですけど、まあそこは……」

いいんだいいんだ、シャイだけど優しさがにじみ出てるよ。

それでもって、この店は釧路港から直送される鮭がとにかく旨いんだ。身はふっくら、塩のあんばいも抑えめで、鮭そのものの旨さで勝負してるのが無言で伝わってくる感じ。

ご飯と味噌汁、小鉢がついて1,550円(上しゃけ定食)さ。

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皮はパリパリによく焼けてて、これがまたクセになる味なんだ。小林さん、やっぱり焼き方にコツがあるんだろ?

小林さん「いいえ、普通に焼いてるだけですよ」

いいねいいねぇ、そのグイグイこない感じがいいよ!

日本酒の品揃えも上々。カウンターに座って刺身とポテサラをつまみに杯を傾ければ、確かに、ここはリアル“深夜食堂”さ。

 

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ほらな、探せばあるんだよ、『深夜食堂』みたいな店はさ。原作を読みながら、自分だけの「深夜食堂」を探してみてくれよな。

 

しゃけ小島
東京都杉並区和泉1-3-15 めんそーれ大都市場内
☎03-6240-8409
営業時間:18:00〜24:30LO/日曜17:00〜24:00
定休日:月曜

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