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再ブレイク(?)で話題沸騰!蛭子能収の漫画に学ぶ人生哲学

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最近、テレビでやたらと見かける“蛭子さん”こと蛭子能収。週刊誌の見出しによれば“再ブレイク中”らしく、そのきっかけはテレビ東京のバラエティ番組『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』。蛭子さんの、良く言えば自然体な振る舞い、悪く言えば自分勝手すぎる態度がじわじわと人気を呼び、視聴率もうなぎ上りだそうです。

かく言う筆者も、ラジオで伊集院光さんが『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』のファンであることを公言し、「蛭子さんが世間の顔色をうかがってワガママな振る舞いを抑え始めているのではないか?」などとイジり出してから興味津々。にわかに蛭子さんのことが気になり始めたのですが……。

  1. そもそも蛭子さんって“ブレイク”したことあったっけ?
  2. 浮き沈みの激しい芸能界にあって、ブレイクもせずに30年近く“のらりくらり”と活躍している蛭子さんって、本当はスゴイんじゃないの?

という考えに至ったのです。スターが重宝される芸能界にあって、あたかもテレビカメラを向けられていないかのような“ありのまま”の姿でいられる蛭子さんのことが……もっと知りたい!

というわけで、その答えを蛭子さんの漫画の中に見出してみようと思い立ったのです。蛭子さんの漫画を読んだことがない人も多そうですしね。

『蛭子能収の人生日記』に見るエビスイズム!

蛭子能収の人生日記

完結『蛭子能収の人生日記』 全1巻 蛭子能収 / 青林堂

手に取ったのは、そのものずばり『蛭子能収の人生日記』。蛭子さんがある家族の日々を描いた作品で、人生の哲学や真実が描かれていると期待して読むと、確実に面食らいます。チンピラのベロを引きちぎって中華屋に売りに行こうとするとベロがうじ虫だった……なんていうシュールなエピソードが満載だからです。さすが「サブカルの総本山」と言われる雑誌『ガロ』出身。つげ義春らに影響を受けただけのことはあります。

その一方で、強引に読み解く意志さえ持てば、『人生日記』にはやはり“蛭子流”とも言うべき人生哲学が描かれていることが分かるのです。

例えば、主人公が疲れて鉄のポールに腰掛けると体勢を崩して海に落下、そのまま沖に流された時のモノローグがこちら。

「こういう時は落ち着くことが肝心じゃないだろうか
そう 私は疲れているのだから海の上で寝てやるくらいの気持ちでいいのだ」

ピンチのときこそ冷静に、慌てない。むしろ、そのピンチに身を任せてしまえばよい(と解釈することができます)。

あるいは、娘が私立の女子校受験で不合格だった時の夫婦のリアクション。

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「バンザーイ」
「百万円儲かった!! 公立高校なら十万円で済むもんな ワッハッハッハッハッ」

娘にしてみれば最悪の言葉だが、人間の欲望や本性を否定せずに描く視点。そこには、飾らずに生きることの大切さが描かれている(と解釈することができます)。

そして、蛭子能収という人間の本質をうかがわせるような、重要なセリフもあります。

「年をとると人間って奴は 冒険しなくなるものさ
冒険とか変わったことに対して 興味がなくなってしまう
まぁ自然体とでもいうのかな」

まさに! 現在の蛭子さんの姿そのものであり、彼なりの人生哲学のように思えるのです。蛭子さんの漫画は、「他人から嫌われたくない、けなされたくない」……そんな想いから“自分”を隠し、仮面をかぶって暮らしている人々が、ハッとするような含蓄に富んでいます。

そんな蛭子さんのパーソナリティに興味を持った方は、彼が内向的な人たちに向けて描いた非漫画幸福論『ひとりぼっちを笑うな』も、ぜひ手に取ってみてくださいね。

ひとりぼっちを笑うな

『ひとりぼっちを笑うな』 蛭子能収 / KADOKAWA / 角川書店

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