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BL漫画史に輝く名作の名セリフ・名言10選

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名作BLマンガを名作たらしめる、大きな魅力のひとつが「セリフ」です。一筋縄ではいかない恋愛を描いているからこそ、思いの丈が込められたセリフは読み手に強い感動を与えます。私たちの胸をキュンキュンと高鳴らせる「攻めの名セリフ」と、攻めへの想いがあふれる「受けの名セリフ」を厳選。シチュエーションとともにご紹介。「あー、尊い」「しんどい無理」と語彙力が仕事しなくなる珠玉の名セリフ・名言に酔いしれてください。

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攻めの名セリフ5選

受けへの愛情や執着、2人で生きていくことに対する強い意志に胸キュンが止まらなくなる「攻めの名セリフ」5選がこちらです。

『テンカウント』

「城谷さん 俺に 依存してくれてますか?」

テンカウント表紙画像
完結『テンカウント』全6巻 宝井理人 / 新書館
テンカウント名言

(第2巻より)

臨床心理士の黒瀬(攻)が潔癖症の社長秘書・城谷(受)への気持ちを告白し、これから城谷との関係を深めていくことを決意した場面でのセリフです。

潔癖症を克服するためのカウンセリングを引き受けたものの、城谷への恋心を自覚したのをきっかけに、一度は彼から離れようとした黒瀬。しかし、黒瀬を失ったことにひどく動揺する城谷の姿を見て、彼と向き合うことを決めるのです。その気持を伝えるための

「俺に依存してくれてますか?」

という言葉が、普段はクールな黒瀬の、城谷に対する執着を伺わせて悶えざるをえない……! さすがは「このBLがやばい!」の攻めキャラランキング上位常連だけありますね。

イケメンで包容力が高くスパダリ力の高い黒瀬に甘やかされて、城谷の心と体がほどけていく過程が本作の見どころ。人と触れ合うことに苦痛を感じる潔癖症を抱えながらも、黒瀬を求めずにはいられない城谷の葛藤と健気さにやきもきしながらも、ページをめくる手が止まらなくなってしまいます。そんな城谷を愛おしみしつつも、まるで真綿で首を絞めるかのように自分のテリトリーに誘い込む、黒瀬の執着系スパダリっぷりがたまりません!

人を愛する気持ちが恐怖症やトラウマを超えることはできるのか――2人の過去のトラウマも絡みつつ、甘くスリリングにストーリーが展開していく本作。多くのBLファンを夢中にさせ、完結後にアニメ化も発表されました。2010年代を代表する名作BLとして必見です。

『テンカウント』を試し読みする

『恋愛ルビの正しいふりかた』

「また二人でデートして たまに殴り合いのケンカしようよ 一人でいる必要なんかないよ これからは」

『恋愛ルビの正しいふりかた』
恋愛ルビの正しいふりかた名言

(第1巻より)

表題作「恋愛ルビの正しいふりかた」ではなく、同録の作品「ほどける怪物」から。恋人に暴力をふるっていた過去に苦しむ林田(受)に、現恋人の秀那(攻)がかけたセリフです。

無表情で無愛想なサラリーマン・林田とその後輩・秀那は、ひょんなことからセフレの関係に。あくまで「セフレ」と割り切っていた2人ですが、食事をしたり一緒に映画を見たりするうちに、体だけでなく心の距離も近づいていきます。しかし、秀那のことを好きなるほど、「また傷付けるのではないか」「また失ってしまうのではないか」と過去のトラウマがちらつき、彼を遠ざけようとする林田が切ない……。

そんな林田を解き放ったのが秀那のこのセリフ。

「殴り合いのケンカしようよ」

という、冗談交じりの言葉に込められた思いに思わず涙がこみ上げます。恋人を一方的に傷付けたことで、自身も深く傷ついた林田にとって、この言葉は大きな救いとなったのではないでしょうか。優れたストーリーテラーであるおげれつたなか先生ならではの、甘すぎないのに心に深く沁み入る名セリフです。

DV彼氏だった頃の林田が登場する『錆びた夜でも恋は囁く』(新書館)、本作の続編である『はだける怪物』(新書館)も印象的なセリフが散りばめられた名作。そこに描かれているのは美しいだけの恋愛ではありません。つらくて痛い――だけど底知れない力を持つ言葉に心が揺さぶられるはず。

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『カラーレシピ』

「好きなんだ 絶対ほしい 俺のにしたい 全部俺のにしたい 好きだ だからたのむ 俺のになって…!!!」

『カラーレシピ』
完結『カラーレシピ』全2巻 はらだ / 新書館
カラーレシピ 名言

(下巻より)

欲しいものを手に入れるには手段を選ばない――そんなサイコパス属性の美容師・福介(攻)が、全ての策略を暴露されて、なりふり構わず同僚の美容師・笑吉(受)への気持ちを吐露したセリフ。

技術力は抜群なのにコミュニケーション下手で不器用な美容師・笑吉。彼が働く美容院に新しくやって来たのは、有名サロン出身で要領がいい美容師・福介。最初は喧嘩ばかりだった2人が、一緒にトラブルを乗り越えていくことで凸凹コンビとして成長していく物語――かと思いきや、実は全て福介によって仕組まれていたことで……? 鬼才・はらだ先生による、サイコサスペンスBLです。

とある出来事をきっかけに笑吉に執着し、彼を手に入れるチャンスを狙っていた福介。笑吉に対するストーカー事件をでっちあげたり、職場で笑吉が孤立するように立ち回ったりと、笑吉が自分に依存せざるを得ない状況を緻密に作り上げていく、異常なまでの執着心に鳥肌が立ちっぱなしです。常識や道徳を笑顔で踏みにじる福介は、恐ろしい人物のはずなのにどこか魅力的で、「笑吉逃げて〜」と「福介もっとやれ!」の間を行ったり来たりするので心が忙しい……! また、福介の本性を見抜いて本音を引きずり出す女装男子・龍来(りく)とのスリリングな掛け合いも見どころです。

そんな福介ですが、事態が計画通りに進まなくなると脆い部分が露わになります。今までの態度とは打って変わって、ただただ懇願するようなセリフとともに笑吉の前に跪く福介。しかし、限界まで追い詰められたかのように見えるこの言葉は本音なのか、それとも……。最後の最後まで息もつかせない展開に、ただただ圧倒されてください。

『カラーレシピ』を試し読みする

『少年の境界』

「だから俺はあの日…運命より自分を信じた」

『少年の境界』
『少年の境界』 名言

(第2巻より)

ゆか(オメガ)という番がいながら、倫(オメガ)という「運命の番」に出会ってしまった薫(アルファ)。ゆかのうなじを噛んで番になった瞬間を思い出しながら、彼と番になると決めたときの覚悟を語ったセリフ。

出会ってしまえば無条件に惹かれ合う「運命の番」。アルファ・オメガ間における至上の結びつきとして描かれるこの設定に、疑問を投げかけるのが本作です。メインカップリングである薫とゆかは運命の番ではありません。しかし、幼い頃からゆかを愛してきた薫は、同級生にレイプされる寸前だったゆかのうなじを噛んで番うことで彼を守ります。たとえ運命の相手ではなくても、必ずゆかを幸せにするという強い意志とともに。

第1巻では、性別検査によってオメガであることを突きつけられたゆかの動揺を描き、第2巻では「運命の番」ではない相手と結ばれた2組のカップリングをメインに据えた、異色のオメガバース作品。
王道ではないからこそ、本作が発するメッセージは深く読者の心をえぐるのでしょうか。強く潔い響きを持つこのセリフからも、当時の薫の心情を想像すると、ゾッとするような悲壮感が感じられます。薫の意志は「運命」に打ち勝つことができるのか、その目で見届けてください。

そして2人は結ばれました――では終わらないこの作品。2組のカップルのその先を描く第3巻も発行予定だそう。
サービス系S気質の先輩✕体育会系ドMの後輩の『蝶と花の関係性』(竹書房)や、超絶テク持ちの元タチ専ボーイ✕ノンケホストの『落果』(祥伝社)など、人気作を次々と世に送り出しているakabeko先生。これからの活躍に要注目です!

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『春を抱いていた』

「岩城さんが綺麗すぎるからいけないんだっ!! どこか人目につかない地下室にでも閉じ込めておきたいっ!!」

『春を抱いていた』
『春を抱いていた』全14巻 新田祐克 / ビーボーイ編集部
春を抱いていた 名言

(第8巻より)

友人に頼まれて、飲み会の席に恋人・岩城(受)を呼んだ香藤(攻)。岩城に見惚れる友人と、色気がダダ漏れ(本人自覚ナシ)の岩城にヤキモキして席を立ち、岩城と2人っきりになった瞬間に放ったセリフ。

とある映画のオーディションで出会ったイケメンAV男優(後に俳優となる)の岩城と香藤。クールビューティな岩城とやんちゃ系イケメンの香藤は、見た目だけでなく性格や考え方も正反対で、出会った当初はケンカしてばかり。しかしいつしか、ライバルから世間公認の恋人同士に、そして人生のパートナーとして共に成長していく過程を描く、言わずと知れた人気長編作。

ときに激しくぶつかり合いながらも情熱的に愛し合う2人の物語は、数々の名言に彩られています。岩城も香藤も、仕事に恋に燃える熱き男。言うことがいちいち男前なんです……。
そんな2人の熱愛ぶりを示すのがこのセリフ。セリフだけだと惚気のように聞こえますが、コマを見ると、かなりシリアスなシーンとして描かれているのが分かります。そう、香藤は自分の恋人である岩城が魅力的すぎることに、本気でやり場のない怒りを感じているのです。こんなにも深くてピュアな愛情表現、見たことありますか?? 対する岩城も

「嬉しいよ 変わらず愛されてる証拠だろ?」

と応じます。はー……完璧すぎて、もはや拝みたくなるカップルです。

本作の続編である『春を抱いていた ALIVE』(ビーボーイ編集部)でも2人の熱愛は健在! 役者として、男として様々なトラブルに直面しながらも、互いを最も信頼し、愛を深めていく岩城と香藤から目が離せません。

『春を抱いていた』を試し読みする

受けの名セリフ5選

攻めの気持ちに対する葛藤や迷いがにじむ繊細な心理描写――それが受けのセリフの萌えどころ。切なく胸を震わせる、受けの名セリフ5選を見ていきましょう。

『それでも、やさしい恋をする』

「打算的ってのは…こういうことだ バカ……っ」

『それでも、やさしい恋をする』
完結『それでも、やさしい恋をする』全1巻 ヨネダコウ / 大洋図書
「それでも、やさしい恋をする」名言1
「それでも、やさしい恋をする」名言2
「それでも、やさしい恋をする」名言3

(第1巻より)

社内のゲイ男性に淡い恋心を抱いていることを

「ゲイと知ったから意識するなんて打算的じゃないか」

と、飲み友達の出口(受)に相談する小野田(攻)。小野田に3年間片思いしていた出口は、とっさに仕事終わりで小野田の家を訪ねる約束を取り付け、その後にこのセリフをつぶやきます。

2014年に映画化もされたヨネダコウ先生の名作『どうしても触れたくない』(大洋図書)のスピンオフ作品。前作の主人公カップル・外川と嶋の同僚である小野田が、スポーツバーで隠れゲイの出口に出会ったことから物語が始まります。行きずりの相手とその場限りの関係を重ねていた出口ですが、何度か小野田と会ううちに、彼の穏やかで誠実な人柄に惹かれていき……。

どれだけ小野田に心惹かれても、友達として接し続けるつもりでいた出口。しかし、小野田からの相談をきっかけに、彼の思いは止められなくなってしまいます。走り出した恋心に高揚しながらも、どこか自嘲的なトーンと恐れが交じるこのセリフ。本気の恋だからこそ感じる複雑な感情が、この一言に凝縮されているようです。どちらかというと計算高いタイプの出口から、この切実な一言がこぼれ落ちたことが切なさを煽ります。

『囀る鳥は羽ばたかない』(大洋図書)や『NightS』(ビーボーイ編集部)など、ノワールな作風で知られるヨネダコウ先生ですが、本作や『どうしても触れたくない』(大洋図書)といった大人同士の恋愛の甘さと苦さを鮮やかに描いた作品も素晴らしいのです……! 思い切りロマンチックな気分に浸りたいとき、ぜひ手に取ってみてください。

『それでも、やさしい恋をする』を試し読みする

『部活の後輩に迫られています』

「でかいしうざいし俺のこと見て鼻息荒くしてんの気持ち悪いのにこれっぽちも好みじゃねぇのに邪険にできねーんだぞ(中略)背中丸めてもじもじされてみ!? きもいけどかわいいみたいになんだろ!!」

『部活の後輩に迫られています』
完結『部活の後輩に迫られています』全1巻 腰乃 / ビーボーイ編集部
部活の後輩に迫られています 名言

(第1巻より)

部活の後輩・吉武(攻)に絶賛迫られ中の守屋(受)。吉武にキスされた瞬間を同級生の牧野に目撃されてしまい、吉武との関係を弁明するセリフ。

『鮫島くんと笹原くん』(東京漫画社)や『新庄くんと笹原くん』(東京漫画社)に代表される、もだもだ系BLの名手・腰乃先生。本作では、大型忠犬系男子の吉武があの手この手で守屋に迫り、いつしか守屋をほだし落とすまでの過程がじっくりと描かれています。

自分と同じくらいガタイのいい吉武から強引に迫られて怯えまくる守屋も、無敵のポジティブさで守屋を追いかけ回す吉武も、「これぞ男子高生!」な可愛さに溢れていて、ページを捲るごとに「は〜〜かわい〜〜〜」とため息をつきたくなってしまいます。いつのまにか毎日一緒に下校するシステムを作り上げたり、人通りの少ないところで強引に手をつないだりといった吉武のやり口に、まんまと流され続ける守屋は「ベスト・ほだされ受け」と呼べるでしょう。このセリフもまさに、全てのほだされ受けの心情を代弁しているかのようです。「きもいのにかわいい」という男子高校生らしい雑なワードセンスも、腐女子の五臓六腑にしみじみと沁み入ります。

このセリフの受け手である、守屋の同級生・牧野を主人公にしたスピンオフ作品『俺は頼り方がわかりません』(ビーボーイ編集部)も素晴らしいもだもだBL。社会人になった吉武と守屋も登場するので、本作にハマった人なら大満足間違いなしの作品です!

『部活の後輩に迫られています』を試し読みする

『between the sheets~ビトウィーン・ザ・シーツ~』

「……今日はとてもいい夜です 上等な食事と上等なワイン …これに上等なセックスがあったらパーフェクトですね」

『between the sheets~ビトウィーン・ザ・シーツ~【電子限定おまけ付き】』
between the sheets~ビトウィーン・ザ・シーツ~【電子限定おまけ付き】

(第1巻より)

美貌のバーテンダー・青葉(受)が、店の客であるホテルオーナー・一瀬(攻)と名門レストランでの食事中にこぼした魅惑のセリフ。

決して客からの誘いを受けないことから、“難攻不落”で知られる青葉ですが、一流レストランの名前につられて、常連客・一瀬と一緒に食事をすることに。美食と美酒に酔いしれた2人は甘い一夜を過ごします。バーで見せるクールな顔とは打って変わって快楽にとろける青葉の姿に、思わず魅了されてしまう一瀬ですが……。

上等な食事と上等なお酒、そして上等なイケメンたちの恋愛を描いた本作。物語序盤のこの甘いセリフに即座にノックアウトされ、「ここからめくるめく上等なエロスが堪能できるのね!」と思いきや、実は青葉は純情で気の強い性格だったのです。美人でエロい一面を持つだけでなく、可愛さも兼ね備えているなんて……。そんな青葉をあの手この手で籠絡しようとする一瀬との攻防戦が、コミカルでキュート! ありとあらゆるBLの魅力が詰まっていて、呼吸困難に陥りそうになります。「可愛くてエロい受けは神」単純なようだけど、これがBLの真髄なんだと教えてくれる1冊です。

続編である『BlueMoon,Blue~between the sheets〜』(新書館)も呼吸困難必至の名作。エロもイチャイチャも上質な世界観も、全てがパワーアップしています! また、橋本あおい先生の美人受けにハマったら、『酔いどれ恋をせず』(新書館)『いつもの時間、いつもの場所で』(miere)もおすすめです。

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『恋するインテリジェンス』

「…君以外にされたくないって さっき暴いたくせに なんでそんなこと聞くんだ」(第1巻より)

『恋するインテリジェンス』

『恋するインテリジェンス』1〜5巻 丹下道 / 幻冬舎コミックス

ツンデレ・クールビューティな官僚・戸堂眞御(受)が、バディである針生篤(攻)の手で彼に対する想いを暴かれた上に

「もしかして 俺のこと好きなの?」

と鈍感な反応をされ、涙とともに告白するセリフ。

某N国の行政機関を舞台に、麗しき官僚たちのゴージャスな恋愛が繰り広げられる人気作品。第1話は色任務のバディ同士である針生と戸堂が主役です。入省時にバディ関係に任命された2人ですが、最初の研修で絶倫の針生が戸堂を失神させてしまったため、その後ぎくしゃくした関係になってしまいます。しかし、戸堂が無断で色任務を受けたことが針生の耳に入り、2人は10年ぶりの訓練をすることに……。

美形のエリート男性のみで構成された世界に、「色任務」という言葉が存在するだけで尊みが臨界点を突破しているのですが、さらに針生と戸堂が10年来の両片思いというボーナスも! 針生は「嫌われた」と思い込み、戸堂は「見捨てられた」と思っていた10年間があるからこそ、思いが溢れ出たこのセリフが可愛くて可愛くて……。思い切りエロを摂取した直後にもかかわらず、爽やかな胸キュンが去来します。また、戸堂にメロメロなのに、色任務を諦めさせるためにドSに振る舞う針生も素晴らしいです/////

針生✕戸堂以外にも、財務省勤務のサラブレッド・土門✕美しすぎる同僚・志山、財閥の御曹司・武笠✕美貌の苦労人・深津など、さまざまなカップリングが登場します。極上の男たちの間で交わされる名セリフから、あなたのお気に入りを探してみてください!

『恋するインテリジェンス』を試し読みする

『嫌い、大嫌い、愛してる。』

「俺はこの男にちゃんととどめを刺せるだろうか この男なしで生きていられなくなる前に 情が移る前に 早く!」

『嫌い、大嫌い、愛してる。』
 嫌い、大嫌い、愛してる。 名言

(第1巻より)

自分を搾取する男・凍月への復讐を目論む作業員の奏。「自分を愛させてから目の前で死ぬ」という究極の復讐を完成させるため凍月に接近するが、徐々に凍月に惹かれていく自分に気付いて、自問自答をするセリフ。

幸せそうに抱き合う2人の男――しかし、一方の手にはカッターナイフが握られているという不穏な表紙のとおり、読み手の心を容赦なく抉る物語です。残忍で腹黒な男・凍月は赴任先の寂れた町の作業所で、輝くような美貌を持つ奏に一目惚れをします。病気の母を抱えて貧しくも慎ましく暮らしていた奏を罠にはめ、その体と心を搾取する凍月。為す術もなく弄ばれる奏ですが、凍月の好意に気付くと、それを逆手に取った復讐を思いつくのです。

健気に生きる奏を襲う数々の不幸に心が痛みますが、凍月への復讐心を糧に最期のときまで精一杯生き抜こうとするその姿は凄絶なまでに美しく、目が離せなくなってしまいます。さらに話が進むにつれて、2人の間にも「蜜月」と呼べる時間が流れるようになり、凍月に対する奏の思いは複雑なものに。凍月を苦しめるために生きているのに、凍月を心の拠り所にしている自分に気付き、奏は激しく動揺します。「人を愛する」とはどういうことなのか……甘いだけじゃない物語だからこそ、その問いかけが光を放ちます。

痛みを伴う文学的な作風が特徴のARUKU先生。激しく心を揺さぶる作品に出合いたい方には激しくおすすめです……!

『【電子限定おまけ付き】 嫌い、大嫌い、愛してる。』を試し読みする

最後に

王道作品から最近の作品のものまで、10個の名セリフをご紹介しました。マンガを読んでいるとストーリー展開や絵柄に注目しがちですが、セリフにも作者の魂や哲学が込められています。印象的なセリフの未読作品を手に取ってみるもよし、好きな作品の名セリフを探してみるもよし。今までと少し違う観点からBLを楽しんでみてはいかがでしょうか?

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