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バレエ好き書店員厳選!バレエ漫画6選【華麗で熱い!】

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鍛えられたしなやかな身体と高い精神性が求められ、技術だけでなく美しさや芸術性も評価されるバレエ。主人公が高難度の技をなかなか習得できず苦しんだり、人間関係やバレエとの向き合い方に悩んだりしながらも成長していく姿は、バレエファンはもちろん、スポーツ漫画好きも共感できることでしょう。

バレエを描いた漫画は、山岸凉子先生の『アラベスク』や『テレプシコーラ 舞姫』、有吉京子先生の『SWAN-白鳥』などが名作として有名ですが、面白い作品はまだまだほかにもあるんです。今回は、書店員厳選の、バレエの魅力がたくさん詰まったバレエ漫画6作品をご紹介します。

主人公のバレエに対するピュアな思いに心洗われる 『絢爛たるグランドセーヌ』

絢爛たるグランドセーヌ 1

『絢爛たるグランドセーヌ』 1~7巻 Cuvie / 秋田書店

ごく普通の小学生・有谷奏(ありや かなで)は、隣に住む少女・梨沙のバレエ発表会を見たのをきっかけにバレエに魅せられ、両親に頼み込んで近所にあるバレエスタジオに通いはじめます。自らも発表会で舞台に立つことの楽しさを実感し、プロのバレエダンサーを目指して奮闘するというお話です。舞踊史家・舞踊評論家として知られる村山久美子さんを監修に迎えた本格作です。

奏は体格や柔軟性、音感こそ平凡ですが、素直を絵に描いたような女の子。彼女の観察眼や吸収力には目を見張るものがあり、「いいな」と思う演技者のいいところを見つけては観察し、自分に取り込もうとします。自分の演技との違いを一歩引いたところから見て、他人の優れているところを素直に認められる奏だからこそ、ぐんぐんバレエの腕が上がっていくのです。

奏をとりまく個性豊かなライバルたちの存在も、見どころのひとつ。小さい頃から英才教育を受けてきたエリート・栗栖さくらや、才能があるゆえに努力を嫌うクールな藤田絵麻、そして奏と同じスクールに通う1つ年上で努力家の伊藤翔子。奏とライバルの少女たちが、それぞれ抱える課題と向き合い、お互いが影響を受けあって切磋琢磨している姿が胸に響きます。

作中では、バレエを続ける上での金銭的な壁や進路の悩み、才能への葛藤などが丹念に描かれています。プロを目指す以上は避けられない現実的な悩みも乗り越え、日々バレエに打ち込む少女たち。ひたむきな努力と上を目指そうとする向上心に、バレエファンならずとも刺激をもらえる作品です。

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絶望すら乗り越えたバレエへの思いは、明るい未来へと昇華する『昴』

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完結『昴』 全11巻 曽田正人 / 小学館

ストイックな姿勢でバレエに取り組む主人公・すばるの姿が感動を呼ぶ人気作。『め組の大吾』でも有名な曽田正人先生が、実在のバレエダンサーのシルヴィ・ギエムからインスピレーションを得て描いたという、本格派バレエストーリーです。

悪性の脳腫瘍に侵された双子の弟・和馬を元気づけるため、毎日のように病室に通って踊りを見せる主人公・すばる。しかし彼女の努力むなしく、弟は帰らぬ人となってしまいます。そんな悲劇から、すばるにとってのバレエは、生きるために避けられない“業(ごう)”のような存在になっていくのです。

すばるの命を削るような演技と異常なまでのバレエへの執着には、ただただ圧倒されるばかり。バレエを失ったら死んでしまうのではないかと感じられるほどの気迫がひしひしと感じられます。

「“才能”が、きっと全てを肯定する!!」

というセリフからは、自分を追い込む覚悟も感じられるほど。バレエの熱量と観客の興奮が画面を通して伝わってくる作品で、思わず漫画の中の話だということを忘れてしまいます。

昴は、新人バレリーナの登竜門・ローザンヌ国際バレエコンクールへの参加や単身の渡米など、着実に才能を磨き、孤高のバレリーナとしてステップアップしていきます。渡米してからの日々は、続編『MOON -昴 Solitude standing-』で描かれており、新たなライバルとの出会いのほか、長年にわたる母親との不和や生涯のパートナーとの出会いなど、自らの人生と向き合う姿にも胸を打たれます。限界を超え更なる高みを目指し続けた、孤高のプリマドンナの生き様をぜひご覧ください。

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男子だってバレエがやりたい!潔さと勢いが気持ちいい!『ダンス・ダンス・ダンスール』

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『ダンス・ダンス・ダンスール』 1~3巻 ジョージ朝倉 / 小学館

『溺れるナイフ』『ピースオブケイク』のジョージ朝倉先生が描く、ちょっと珍しい男子バレエ漫画。タイトルの「ダンスール」とは、男性のバレエダンサーを指す言葉です。

主人公の村尾潤平は中学2年生。幼い頃からバレエに興味はあったものの、女性的な面も多いことから本気で取り組むことを迷っていました。しかし、転校生の美少女でバレエスタジオの娘・五代都(ごだい みやこ)から誘われたのをきっかけに、自身の中にあった「バレエへの情熱」が解放されていきます。

「男らしく、かっこよくありたい」という気持ちは、思春期の男子なら誰にでもあるもの。潤平はバレエをやっていることを同級生の友だちにはなかなか打ち明けられず、隠れて練習するのですが、あることをきっかけに腹をくくってバレエに本気で取り組むことを決断します。潤平の決断のきっかけとなったのは、ライバルの少年・流鶯(るおう)。「そいつより、どう見ても、僕が王子ですよね?」などと平然と言ってしまう美少年で、素人の潤平とは違い、天性の才能があります。バレエの技術は未熟でも抜群のセンスと粘り強さを持つ潤平と、天才の流鶯、2人のアツいライバル関係は、巻を追うごとに面白さを増していきます。

また、潤平が憧れる都との恋愛模様も見どころのひとつ。ささいな言動に動揺し、「もしかしたら自分のことを好きなのかも」とドキドキする姿は、まさに甘酸っぱい青春そのもの! 若いエネルギーがこれでもかというほど詰め込まれた本作は、今後の展開も楽しみな期待の作品です!

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遅咲きバレリーナの再挑戦に勇気づけられること間違いなし!『Do Da Dancin’!』

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完結『Do Da Dancin’!』 全9巻 槇村さとる / 集英社

『イマジン』『おいしい関係』『Real Clothes』でも知られる槇村さとる先生による、大人女子向けバレエストーリーです。

母の死がきっかけで、一度は諦めたプリマへの道に22歳で再挑戦する主人公の桜庭鯛子。プロになるには年を取りすぎているという現実にめげそうになりながらも、友人や家族に励まされながら夢を掴むべく奮闘します。

心身ともに美しいバレリーナは一般人からすると遠い存在に思えますが、挫折から這い上がり、何度心が折れそうになろうとも立ち上がる鯛子の姿に、どこか親近感がわきます。プリマとして一番輝くであろう十代の日々を日の当たらないところで無為に過ごしてしまった過ちや、バレエがきっかけで母を失った辛い過去を受け入れ、葛藤を重ねながらも才能を開花させていく姿に、読んでいるこちらも「今からでも遅くない。私も何か始めてみようかな」と勇気づけられること間違いなしです。

遅咲きの鯛子がバレエで成功するためには、まず、ヴェネチア前哨戦の「全日本クラシックグランプリ」で優勝し、クラシックバレエの最高峰「ヴェネチア国際コンクール」で入賞することが必要です。『Do Da Dancin’! 』では鯛子が自分とバレエを見つめ直し、続編『Do Da Dancin’! ヴェネチア国際編』では鯛子がプロになるための戦いが描かれています。進化し続ける鯛子と彼女のバレエから、最後まで目が離せません。

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バレエをテーマに描かれる細やかな人間模様がすがすがしい 『フラワー・フェスティバル』

フラワー・フェスティバル

完結『フラワー・フェスティバル』 全1巻 萩尾望都 / 小学館

『ポーの一族』の萩尾望都先生が贈る、人物描写が味わい深いバレエストーリー。バレリーナ志望の高校生・五島みどりはある日、友人のバレエ教師からロンドンのバレエ学校のサマースクールに誘われます。大好きなバレエを本格的に習うことができて喜ぶみどりですが、慣れない外国での生活には困難も待ち受けていて……。

みどりはスクールで鍛えられながら、スクールが主催する夏の公演「十二宮フェスティバル」の成功を目指して努力を重ねます。持ち前の素直さでステップアップしていく姿は非常に爽やか。スカウト、突然の抜擢、代役と、バレエ漫画の王道の展開ながら、彼女を取り巻く登場人物たちの個性がストーリーに奥行きを与えています。

バレエで代役というとネガティブなイメージがありますが、この作品ではライバル同士の足の引っ張り合いではなく、純粋に良い演技を突き詰めた結果のもの。「どちらがフェスティバルにふさわしい踊り手か」「作品のためにどうすれば良いのか」を毎回真剣に考えた結果なのです。登場人物たちのバレエに対する真摯な気持ちが伝わってきます。

若い時期にとことん挑戦することが精神的な成長を促し、その後の人生を大きく変えるという、萩尾望都先生のメッセージが強く伝わってくる、読みごたえのある作品です。

『フラワー・フェスティバル』を試し読みする

バレリーナを目指す少女の日常と成長を描く『トウ・シューズ』

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完結『トウ・シューズ』 全5巻 水沢めぐみ / 集英社

『姫ちゃんのリボン』で知られる水沢めぐみ先生の、バレエを通して描かれる成長ストーリー。主人公・森野くるみは、小学5年生の冬に友人の桃子に誘われて「くるみ割り人形」の発表会を見に行くことに。そこで見たバレリーナ・白河はづきの演技に感動し、自らもバレリーナを目指したいと思うようになります。

バレエは実力以外にも重要な要素があり、その1つに「身長」があります。パートナーとの身長差には理想とされるサイズがあり、小柄なくるみはプリマになるのが難しいのです。同級生で幼馴染のサッカー少年・智也も身長が小さいことをコンプレックスに感じており、犬猿の仲だった2人は次第に励まし合うようになります。同じ悩みを抱え、共に支え合う2人。いつしか智也はくるみに好意を抱くものの、くるみには憧れのダンサーがいて智也の密かに抱く思いに気づかない……という恋愛のもどかしさもまた、この作品の魅力です。

可愛らしく甘酸っぱいラブストーリーも存分に楽しみたい! という人にオススメのバレエ漫画です。

『トウ・シューズ』を試し読みする

最後に

苦難を乗り越えた先にある高みを目指し、努力を重ねることで、技術も心も成長していくバレエダンサーたち。その姿からはきっと、勇気と元気をもらえるはず。

バレエ漫画は、日々の生活の中で落ち込んだり、疲れたりした時、また、何かに挑戦する時に活力をもらえる作品ばかりです。ぜひ読んでみてくださいね。

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