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【世界史漫画地図つき】面白くて勉強にもなる世界史漫画13選

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フランス革命を扱った『ベルサイユのばら』や、アレクサンドロス大王の時代を描く『ヒストリエ』など、世界史漫画を読んで歴史好きになったという人は多いことでしょう。歴史の勉強に役立ったり、その時代の価値観がすんなり理解できたりもしますよね。

今回は古代から現代まで、さまざまな時代・地域の世界史漫画を13作品ご紹介します。歴史漫画をあまり読んだことのない方でも理解しやすいように、舞台となっているエリアを示した地図つきです。

ぶくまる世界史漫画マップ

今回ご紹介する13作品のエリアは、大きく3つに分かれています。まずはこの広域世界地図で、全体の位置感を把握する目安にしてみてくださいね。

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古代エジプト漫画の期待作!女ファラオ・ハトシェプストの一代記『碧いホルスの瞳 -男装の女王の物語-』

碧いホルスの瞳 -男装の女王の物語- 1

『碧いホルスの瞳 -男装の女王の物語-』 1~2巻 犬童千絵 / KADOKAWA / エンターブレイン

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古代エジプト第18王朝といえば、黄金のマスクのツタンカーメン、一神教を進めたイクナートンなど、有名な人物がめじろ押しで、歴史ファン垂涎の時代ですよね! その王朝を舞台にした話題作です。

舞台は紀元前15世紀のエジプト。シェプストは王族の責任を自覚する、聡明(そうめい)で慈悲深い王妃でした。しかし、当時は軍事活動が盛んな時代。女であるシェプストの行動は制限され、一方、夫であるトトメス2世の暴虐は募るばかりです。胸を痛めるシェプストの前に現れたのは、優秀なる書記・センムトでした。

古代エジプト人の信仰心や価値観、異民族ヒクソスに支配された衝撃が未だ残る時代の風潮など、当時の雰囲気がきっちり描き込まれているのが、本作の魅力です。絵柄の美しさも特筆もの。ハトシェプスト朝のキーパーソンであるセンムトも登場してきて、今後の展開が楽しみです。

『碧いホルスの瞳 -男装の女王の物語-』を試し読みする

巨匠が描く征服王の壮絶な生涯『アレクサンドロス』

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完結『アレクサンドロス』 全2巻 安彦良和 / NHK出版

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わずか33年の生涯のうちにギリシアからエジプト、インド西端に及ぶ広大な地域を征服し、古代オリエントに深い足跡を残したアレクサンドロス。日本にまでギリシア文明が伝わる所以となったこの巨人を、大ベテランの安彦良和先生が描いたのが本作です。淡々とした作風ながら、アレクサンドロスの天才ぶりやカリスマ性、意外なナイーブさなどが描かれている、王道の伝記漫画です。

舞台は紀元前4世紀のバルカン半島。マケドニアの若き王子アレクサンドロスは哲学者アリストテレスのもとで学問を学び、武芸の稽古に励んでいました。しかし、父が新たな妃を迎えたことから、アレクサンドロスとその母の立場は危うくなります。やがて暗殺と粛清が続き……。

20歳で即位したアレクサンドロスは、先進地域であったギリシアを支配下に収め、大帝国ペルシアとの対決へと、快進撃を続けていきます。が、その心には、敵を粛清するときに実母が見せた残虐性への恐怖心が、抜き難くしみついていたのでした。

岩明均先生が描く『ヒストリエ』の主人公・エウメネスを始め、史上に名を残す人物たちがあちらこちらで顔を見せます。また、著名なエピソードも網羅されており、通好みの世界史漫画です。作者の安彦良和先生は、「機動戦士ガンダム」や「宇宙戦艦ヤマト」などに携わった日本アニメ界の重鎮ですが、歴史漫画を多く手がける漫画家でもあり、『イエス』『ジャンヌ』等の作品もあります。

『アレクサンドロス』を試し読みする

歴史漫画×格闘漫画!ローマ帝国の雰囲気に浸りたいならコレ!『拳闘暗黒伝セスタス』

拳闘暗黒伝セスタス 1巻

完結『拳闘暗黒伝セスタス』 全15巻 技来静也 / 白泉社

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少年漫画の王道を行く、後味が爽快な格闘漫画です。主人公は小柄な少年ですが、得意技を磨いて大人たちを倒し、人としても成長していきます。古代ローマ帝国が舞台で、当時の風俗や実在の人物、歴史的事件がかなり正確に反映されており、歴史漫画としても魅力があります。

主人公のセスタスは奴隷闘士。ローマ帝国のヒエラルキーの中では、最下層に属しています。敗れた場合は殺されることも珍しくなく、生き延びるために、そして自由になるために、日々腕を磨き戦っていました。そんなセスタスの前に現れたのは、天才少年闘士・ルスカと若き皇帝ネロ。近い年齢ながら立場はまるで違う3人は、それぞれの重荷を背負って生きていきます。

古代ローマの闘技事情が、残虐さや派手な演出も含め、理解しやすく描かれています。暴君のイメージが強い皇帝ネロの、気弱で芸術を愛する一面が描かれるのも、通にはたまらないところ。当時の事情や人物のバックグラウンドについても詳細に説明されているので、古代ローマは初めてという方にもおすすめです。

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聖なる伝承の作られ方を見よ!『インノサン少年十字軍』

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完結『インノサン少年十字軍』 全3巻 古屋兎丸 / 太田出版

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1212年、フランスの小さな町で、エティエンヌという少年が神の声を聞いたと立ちあがりました。彼の周りにはたちまち人が集まり、宗教的な熱狂に突き動かされるがまま、聖地エルサレムを目指して旅に出ます。テンプル騎士団やシトー修道会にも支持され、行く先々で歓迎される少年十字軍。しかし、やがてこの行軍のダークサイドが露見し始め、凄惨な仲間割れが始まるのでした。

「暗黒の中世」と呼ばれる時代に、ヨーロッパで起きた十字軍運動。このムーブメントは庶民が夢見たピュアなものではなく、政治的・経済的な欲得が絡んだものでした。しかしそれは現在だから分かること。当時の人々は知識も情報もほとんどなく、十字軍を素直に捉えたのでした。その結果起きた悲劇と破滅を、本作はシビアに描いています。時代考証にもこだわっており、中世の闇がひしひしと感じられる作品です。

見どころは、エティエンヌの純粋な言動が、周囲の人間たちによって美化、あるいは利用され、聖者伝承となっていくプロセス。史実から伝説が生まれる瞬間を目撃しているかのような臨場感で、タイムスクープハンター気分を味わえます。作者の古屋兎丸先生は、少年の集団が瓦解するさまを克明に描く漫画家で、他に『幻覚ピカソ』『ライチ☆光クラブ』等の作品もおすすめです。

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滅びゆく国の文字を巡る数奇な戦い『シュトヘル』

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『シュトヘル』 1~13巻 伊藤悠 / 小学館

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13世紀初頭、中央アジア。最強の部族・モンゴル族に仲間を皆殺しにされ、のちに彼らから「シュトヘル(悪霊)」と呼ばれ、恐れられる女戦士と、蒙古の皇子でありながら、敵国の文字である「西夏文字」に魅せられ、その存在を守るために自国を出奔する少年・ユルールとの、男女を超えた深い絆を描くストーリー。

復讐にのみ生を燃やすシュトヘルを、同行の商人・アルファルドは美しいと讃えます。ですが、野生の獣そのもののようなシュトヘルも、ユルールに文字を教わることで再び人間らしさを取り戻していきます。

「でも坊ちゃま、アンタは恐ろしい。アンタは──アンタは“悪霊”を殺してしまう」

自分の憧れる「悪霊」像が崩れてしまうことを恐れ、アスファルドはユルールに剣を向けます。奪うことしか知らなかったシュトヘルの中に「伝え、遺すこと」という新たな価値観が生まれる瞬間は感動もので、文字の持つ力の大きさ、尊さにあらためて思いを馳せることができます。

また、シュトヘルだった記憶を持つ高校生・須藤と、ユルールの記憶を持つ少女・スズキとがどう関わっていくのかなど、タイムスリップSF的な要素もあり、今後が見逃せない作品です。

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数多の死の向こうに見える微かな希望『狼の口 ヴォルフスムント』

狼の口 ヴォルフスムント 1巻

『狼の口 ヴォルフスムント』 1~7巻 久慈光久 / KADOKAWA / エンターブレイン

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中世ヨーロッパと言えば、華やかなイメージを持つ方も多いかもしれませんが、同時に血と殺戮に満ちた時代でもありました。本作はまさに「暗黒の中世ヨーロッパ」を代表する作品です。

舞台は14世紀・スイス。ドイツとイタリアを最短距離で結ぶザンクト・ゴットハルト峠には「狼の口(ヴォルフスムント)」と呼ばれる関所がありました。圧政により、内部に閉じ込められた民衆たちは、なんとかして関所を抜けようとするのですが、彼の地を守る代官ヴォルフラムの手により殺されてしまいます。勇敢な市民たちが凄惨な拷問を受け、ボロ布のようになって死んでいく描写は残酷そのもので、思わず目を覆いたくなることも。他の漫画であれば主役を張れるだろう人物や、ヒロイン級の女性までがあっさり殺されるところなど、現実の容赦のなさを感じて背筋が寒くなります。

絶望に継ぐ絶望のなか、それでも微かな希望を繋ぎ、知恵と勇気を振り絞って関所を突破しようとする彼らの姿には、きっと胸を打たれるはず。もちろん、最大級のカタルシスも用意されているので、安心してお読みください。

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英仏百年戦争を舞台に、傭兵たちの生き様を描く『ホークウッド』

ホークウッド

『ホークウッド』 1~8巻 トミイ大塚 / KADOKAWA / メディアファクトリー

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14世紀、英仏百年戦争を舞台に、若き傭兵隊長ジョン・ホークウッドの戦に捧げた人生を描く本作。

この作品の魅力は、なんといってもホークウッドのかっこよさ!

「名誉だの忠誠だのを理由に命をかけるのはあんたら貴族だけの話さ
俺たち傭兵はそんなもののためには戦えんね」

戦う理由はただひとつ、それが俺の仕事だから。そう言い放つホークウッドの姿は、騎士道を重んじる当時の人よりも、私たち現代人のほうが共感できるのではないでしょうか。

ともすれば、悪人とも取られかねない行動をするホークウッドですが、その傍若無人さがむしろ痛快で、きれいごとでは生き抜けない時代の空気や重みを感じ取ることができます。

作中内でホークウッドは自軍の半数を失うことになるのですが、新兵を募り、どん底から巻き返していく展開は非常に熱く、戦闘シーンとはまた違う、知的な駆け引きの面白さも味わえます。

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宗教改革前夜の中欧―異端弾圧の嵐が吹き荒れる!『乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ』

乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ (1)

『乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ』 1~6巻 大西巷一 / 双葉社

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キリスト教の宗教改革が、1517年、ルターによって始まったことは広く知られている事実です。が、実はその100年以上も前から、腐敗した教会への糾弾は始まっていました。本作はボヘミア(今のチェコ辺り)で起こった、宗教改革の先駆けと言われる「フス戦争」を描いた漫画です。珍しい時代・テーマを扱っているだけでなく、時代考証の綿密さや、人間社会の暗黒面を活写しているという点においても、貴重で優れた作品です。

1420年のボヘミア。フス派の説教師の教えを聞き、素朴に信じて暮らしていた農民たちは、突然異端とされ、殺りくされます。ただ一人生き延びた少女・シャールカは、傭兵隊長ヤン・ジシュカに拾われ、仇を討つため、そして生き延びるために立ちあがりました。カトリック側との戦、ペストの流行、仲間の分裂や粛清など、次々に起こる悲惨な出来事の中、シャールカはトラウマに耐えて生き延びます。

火器の導入による戦術の変化や、国民軍的な軍事組織の発生など、戦史通がしびれるポイントをしっかり押さえた作品です。ペストの流行による社会不安がユダヤ人迫害につながったり、社会変革を希求する組織が過激化したりするくだりからは、古今東西変わらない人間の暴力性が読み取れます。また、かわいい絵柄ではありますが、虐殺や強姦の描写は凄惨で、戦争の実態がうかがい知れます。作者の大西巷一先生には、『ダンス・マカブル ~西洋暗黒小史~』等の作品もあります。

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シェイクスピアの史劇を大胆に翻案!美しく耽美な王を描く『薔薇王の葬列』

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『薔薇王の葬列』 1~6巻 菅野文 / 秋田書店

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シェイクスピアの史劇『ヘンリー六世』及び『リチャード三世』で、悪役として描かれているイングランド国王・リチャード3世。2012年に遺骨が発見され、子孫とのDNA鑑定が実施されたり、肖像画や家系図との齟齬が判明したりと、歴史ファンを色めかせるニュースが話題を呼びました。このリチャード3世を美しき両性具有者に描き、華麗な英国王朝絵巻に仕上げているのが本作です。

15世紀のイギリスでは、ランカスター家とヨーク家が「薔薇戦争」と呼ばれる王位争いをしていました。主人公のリチャードはヨーク家の人間。両性具有ゆえに母から疎まれ、庇ってくれる父を崇拝していましたが、その父が敗死してしまいます。傷ついたリチャードは、同様に苦悩する男・ヘンリーと知り合い、次第に惹かれていきますが、ヘンリーは現国王、敵方であるランカスター家の人間でした。

本作の魅力は、キャラの心情を繊細かつ美的に描いていること。各自の性格が史実を踏まえつつも、作者独自の解釈をほどこしたものとなっており、歴史エンタメの醍醐味を味わえます。また、衣装や調度品などの時代考証も細やかで、中世の雰囲気に浸れますよ。

作者は『オトメン(乙男)』がドラマや流行語になった菅野文先生。歴史ファンには、末期の新選組を描いた『北走新選組』もおすすめです。

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歴史ロマンあふれるラブストーリー『夢の雫、黄金の鳥籠』

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『夢の雫、黄金の鳥籠』 1~8巻 篠原千絵 / 小学館

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舞台は16世紀オスマン帝国。貧しい農村の娘・ヒュッレムは奴隷として商人に売られてしまいます。ヒュッレムを買った青年・イブラヒムは彼女に知識と教養を叩き込み、皇帝・スレイマンへと献上します。実は、イブラヒムはスレイマンの信頼する側近だったのです。頭の良さと美しい声を気に入ったスレイマンから寵愛を受け、後宮での地位を高めていくヒュッレム。ですが、ヒュッレムの心にはイブラヒムがいて……という、歴史ロマンを感じるラブストーリーです。

皇帝と臣下、そして愛妾という主従を絡めた三角関係も気になりますが(ちなみに、皇帝とイブラヒムの2人もなんだか怪しいムードを漂わせており……)、なにより見逃せないのは、後宮での女の戦い! 嫉妬や権力欲の渦巻く世界で、ヒュッレムが持ち前の才気を発揮して切り抜けていく姿は爽快で、ページを繰る手が止まらないほど。

古代オリエントを舞台にした『天は赤い河のほとり』も、徹夜間違いなしの名作なので、あわせてどうぞ。

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フランス革命の闇の主役・処刑人…その高貴なる魂を描く『イノサン』

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完結『イノサン』 全9巻 坂本眞一 / 集英社

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緻密かつ華麗な画風と、実験的な演出が話題の本作。18世紀、フランス革命の裏の主役とも言うべき「処刑人」。その処刑人一族の当主として生まれたシャルル=アンリ・サンソンを主人公に、民衆から死神と恐れられ、蔑まれることに苦悩する彼と、彼が関わる人物たちとの数奇な運命が描かれています。

処刑人として生まれたことを悔やみ、人が人を殺すということの重荷を常に背負っているシャルル。初めは自分に課せられた運命が嫌で仕方ないのですが、やがて「死刑をこの世からなくすこと」を胸に、一流の処刑人として生きようと決意します。

そんなシャルルの誇りが感じられる一幕が次のシーン。宴の余興として生きた獅子の首を落とせと命じられた際、シャルルは「この獅子は咎人に非ず」と、剣を振るうことを拒否します。あくまでも自分の正義を貫こうとするシャルルの態度に、本作のタイトルである「Innocent(無垢)」を感じる人も多いのでは。

巻を追うにつれてその存在感を増していく妹・マリーにも要注目! 幼少より解剖に興味を示し、残虐な性癖を持つマリー。シャルルとは正反対の彼女が、処刑人としてどう生きていくのか。気になる方は、続編にあたる『イノサン Rougeルージュ』もあわせてぜひ。

『イノサン』を試し読みする

現代史のダイナミズム・リアリティにフィクションを融合した傑作『アドルフに告ぐ』

アドルフに告ぐ 1巻

完結『アドルフに告ぐ』 全5巻 手塚治虫 / 手塚プロダクション

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漫画の神様・手塚治虫先生の作品です。スパイ小説のようにスリリングな展開、悲劇的なヒューマンドラマの重厚さ、「正義とは何か」を問いかけるテーマ性を兼ね備える、スケールの大きい名作です。

第二次大戦前夜の神戸。ドイツ大使館員の息子・アドルフ・カウフマンと、ユダヤ系ドイツ人の子・アドルフ・カミルは、育ちや立場の違いを超え、固い友情で結ばれていました。そこへ故国のドイツから、アドルフ・ヒットラー総統の政治生命にかかわる重大な機密がもたらされます。2人のアドルフ少年は機密に翻弄され、政治や戦争の影響を受け、次第に敵となっていくのでした。

歴史の激流の中で交錯する、「アドルフ」という名を持つ3人の男の生きざまや葛藤を描いた作品です。大戦の時代に生きる庶民の無力感の描写は、経験者ならではの説得力で、歴史の重い証言となっています。手塚先生には仏教の開祖ゴータマ・シッダルタを描いた『ブッダ』もありますので、本作が好きになった方はそちらもどうぞ。

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国を擬人化したらこうなった!世界史を楽しく学べる『ヘタリア World☆Stars』

ヘタリア World☆Stars 1

『ヘタリア World☆Stars』 1~3巻 日丸屋秀和 / 集英社

再度に渡るアニメ化や舞台化でも話題の『ヘタリア』。もともとは作者のWebサイトで連載されていたのですが、国を擬人化するという新鮮なアイデアと、キャラクターの秀逸さ、作者の人柄がにじみ出るような、ほのぼのとした作風から一大ブームを巻き起こし、現在は『少年ジャンプ+』にて連載中。

本作の魅力はなんといっても、そのキャラクター性! 芸術的センスにあふれているけれど、戦場ではヘタレなイタリア、生真面目で堅物なドイツ、シャイに見えるけれど意外に頑固な日本など、各国の特徴をうまく拾い上げています。

もちろん、歴史漫画としても秀逸。もともとはバラバラだった国がどうやってドイツとしてまとまったのかを、「GER(ドイツ)48」というネタにして説明したり、古代ローマ皇帝の逸話をユーモアを交えて紹介したりと、楽しく読んでいるうちに世界の歴史やトリビアがわかるという仕掛け。

Web掲載分をメインに収録した『ヘタリア Axis Powers』は、世界大戦に関するネタも多く、そちらもおすすめ。アメリカがイギリスから独立した際のエピソード「アメリカの倉庫掃除」など、ほろりと泣ける話もあります。

『ヘタリア World☆Stars』を試し読みする

最後に

歴史漫画は、近年明らかになった新事実が反映されていたり、考証を元に作者ならではの大胆な脚色が施されていたりするのが大きな魅力! 歴史書とは違う面白さを、ぜひ世界史漫画で見つけてくださいね。

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